仕事を辞めたときにもらえる“失業給付”のこと、知ってる?

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期せずして仕事を辞めることになってしまったけれど、なかなか次の就職先が決まらない…。そんなとき、ある程度の貯金があったとしても、お金のことが心配になってしまうはず。「これまで勤めていた会社が雇用保険を支払っていたのなら、“失業給付(雇用保険の基本手当、以下「失業給付」)”を受けることができます」と、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さん。

失業保険の給付額は、退職前6カ月の給与の合計を180で割った金額を基に計算する。1日当たりの賃金である“賃金日額”を基準になる。“賃金日額”に50〜80%の“給付率”をかけて計算し、退職時の年齢と賃金日額によって、給付率は5段階に分かれるとか。

「もらえる金額は厚生労働省が毎年8月1日以降に発表するデータに基づいています。金額は離職理由に応じても変化することがあります」(同)

失業給付の手続き方法は簡単。退社した会社から離職票が届いたら、最寄りのハローワークで求職票に必要事項を記入して、離職票とともに提出を。そのあと待機期間の7日間を経て、失業給付受給者への説明会に出席し、失業認定がされると給付開始となる。ただし、支給開始のタイミングは退社理由が自己都合か会社都合かで異なるので注意を。

「支給額の受け取りは、自己都合ならハローワークで手続きをした約4カ月後、会社都合なら翌月から始まります。その間に就職が決まった場合やアルバイトなどで収入を得た場合には、支給は休止(先送り)や一部減額となります」(同)

また、仕事を探すときに役立つのが資格。でも、資格をひとつももっていないという女子も少なくないはず。そんなときにうれしいのが、失業給付を受けながら、資格取得ができる“離職者訓練”。約6カ月でテクニカルオペレーション訓練などが受けられる。また、6カ月〜1年で、情報ビジネスや介護サービス訓練が受けられるコースも。これは失業給付受給者のみが受けられる制度。受けられる場所は地域により異なるので、ハローワークで問い合わせを。

「訓練を受講すると、1日500円の受講手当が支給されます。テキスト代は自己負担になりますが、交通費は支払われます。また、失業給付受給資格がない人には求職者支援訓練というシステムがあります」(同)

いざ仕事を辞めたとき、困ることがないように、失業給付と離職者訓練のことを頭に入れておいて。

風呂内亜矢
ファイナンシャルプランナー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。CFPR認定者。宅地建物取引士。住宅ローンアドバイザー。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を発信している。著書に『貯金80万円、独身の私にもできた! 自宅マンションを買って「お金の不安」に備える方法』(日本実業出版社)、共著に『知っている人は得をする 届出ひとつでお金がもらえる本』(宝島社)ほか。4月末に新著『その節約はキケンです』(祥伝社)が発売予定!