ハリルが描く仮想豪州、仮想サウジ…キリン杯のライバルを分析

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 日本サッカー協会は13日、今年6月に開催されるキリン杯のマッチスケジュールを発表し、6月3日に豊田スタジアムで行われる準決勝の組み合わせは日本対ブルガリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ対デンマークに決まった。

 過去15試合のうち14試合が対アジア勢だったハリルジャパンにとって初の欧州勢との対戦。バヒド・ハリルホジッチ監督は記者会見でライバル3か国の印象を語り、9月に開幕するW杯アジア最終予選に向けて「大きなテストになる」と位置付けた。

「この3チームはまったくスタイルが違う」と前置きしたうえで、指揮官にとって母国でもあるボスニア・ヘルツェゴビナについては「FIFAランキングで20位に入っている。個人の能力はかなり高い。何人かの選手はかなりハイレベルだ」と指摘。FWエディン・ジェコやMFミラレム・ピアニッチ(ともにローマ)らタレントを抱え、W杯初出場となった14年ブラジル大会は1勝2敗のグループリーグ敗退に終わったが、「向こうの監督とも話をしたが、トーナメントを勝つために(日本に)来たいと言っていた」と、すでに敵将ともコンタクトを取っているようだ。

 デンマークはブラジルW杯、EURO2016ともに欧州予選で敗退。EURO1992で優勝し、98年フランスW杯では8強入りしている古豪だが、「デンマークのサッカーの歴史上、初めて彼らはシステムを変えた。前回の試合で3-5-2を使っている。驚いたのは、7人か8人が190cm以上の選手だった。特に空中戦はかなり強い」と、そのプレースタイルの変化と圧倒的な高さを警戒した。

 日本が準決勝で対戦するブルガリアもW杯は過去4大会連続、EUROは過去3大会連続で予選敗退。近年は世界の表舞台に立っていないが、「ブルガリアのフットボールも新しくなっている。難しい時期もあったが、今は若手が台頭して、野心を持ったチームに生まれ変わっている」と、世代交代が進んでいる。

 FIFAランキングでは日本の57位に対し、ボスニア・ヘルツェゴビナは20位、デンマークは41位だが、ブルガリアは69位と日本よりも低い。しかし、過去の対戦成績で日本はブルガリアに1分4敗と一度も勝ったことがない。さらにブルガリアは3月25日の国際親善試合でポルトガルを1-0で下しており、「世界の5位か6位に入るチーム相手に素晴らしい試合をした」と、その実力を過小評価すべきではないと強調した。

 そのうえでキリン杯がW杯アジア最終予選のシミュレーションになるかどうかを聞かれたハリルホジッチ監督は「オーストラリアが少しデンマーク、少しブルガリアという形だ」と指摘。サイド攻撃を重視し、FWティム・ケーヒルを筆頭にした空中戦の強さはデンマークに共通する部分があり、「さらにブルガリアのようなアグレッシブさも持っている」と、デンマーク、ブルガリアを仮想オーストラリアと位置付けた。

 さらに「UAE、サウジアラビアは少しテクニックに傾いているチームだと思う」として、「テクニックに優れた非常に質の高いチーム」と評するボスニア・ヘルツェゴビナが仮想UAE、仮想サウジアラビアになると考えているようだ。

「いろんなスタイルを持ったチームを呼びたいと思った。テクニックに偏っているチーム(ボスニア・ヘルツェゴビナ)。デンマークのような空中戦に強いチーム。そしてアグレッシブさを持っているブルガリア」。三者三様の相手だからこそ、さまざまなテストができる。アジア最終予選までの実戦の機会はキリン杯の2試合だけ。指揮官は「彼らは自分たちのスタイルを貫き通すと思う。スタジアムを満員にしようが、相手はプレッシャーに感じないだろう。それが我々にとって良いテストになる。ここで自信を付け、勝つ文化を身に付けないといけない」と力説した。

(取材・文 西山紘平)


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