「やせすぎ」はもう古い? 美しさと若さを遠ざける原因と対策法とは

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執筆:山本 ともよ(管理栄養士)
監修:岡本 良平(医師、東京医科歯科大学名誉教授)

「やせすぎ」の増加は、今や社会問題となっています。
「キレイになりたい!」という気持ちからやせる方も少なくありません。しかし、そのことが美を遠ざけていることはあまり理解されていません。

「痩せすぎ」による身体への影響は?


体格を判断する国際基準は体格指数「BMI」です。「BMI=体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)」この数値が18.5未満だと「痩せ」になります。

エネルギーが不足する


筋肉や脂肪といったエネルギーを貯蓄しておくものが少ないので疲れやすい、集中力が切れやすい、抵抗力が低く病気になりやすいなど、体力レベルが低下しやすくなります。

体型がゆがむ


少ない筋肉で身体を支えきれないと骨格が歪みやすくなります。猫背、足を組む、頬杖をつくなどありませんか?それが習慣化すると、体型のゆがみだけでなく、肩こり腰痛など痛みの原因になったり、全身の不調につながったりすることがあります。

貧血によりクマができる


貧血は鉄分不足で起こり、全身に酸素が上手く運ばれなくなります。顔色が悪くなる、クマができる、冷えやすくなる、立ちくらみ、めまいなど、全身にさまざまな不調が起こります。

骨粗鬆症になりやすくなる


誰でも加齢と共に体力は落ちますが、筋肉や骨、脂肪が十分な状態でなければ、さらに体力は落ちやすく、その低下とともにケガをしやすくなります。

妊娠、出産、胎児へのリスクが高まる


妊娠前の女性は無月経や無排卵など不妊のリスクが高まります。また、妊娠期に胎児への栄養が不足すると、発達に異常が起こるリスクが高まります。さらに、出産前の女性や妊婦の栄養不足は、子供の肥満や生活習慣病リスクを高めます。

健康維持のためにすべき生活習慣

生活リズムを調える


健康で美しい身体は、正しい生活リズムと共に活発に働き、きちんと休息することで作られます。生活リズムが乱れると代謝は低下します。まずは、起きる時間、寝る時間、食事の時間を規則正しくして、欠食せずに食事を摂りエネルギーとして活用することが、健康で美しい身体を作る基礎になります。

バランスのとれた食事をする


食事量が少なくなると、必要な栄養素が不足します。適量でバランスのとれた食事をするのがベストです。しかし、痩せすぎの場合、食事量をじゅうぶんに摂ることができない人もいます。少量でもバランスのとれた食事をすることが大切です。3回の食事で、主食(ご飯・パン・麺類など)、主菜(肉・魚・大豆製品・卵)、副菜(野菜・きのこ・海藻)をそろえましょう。

健康維持のために摂るべき食材

雑穀米


玄米、黒米、赤米、粟、ひえ、きび、ハトムギ、大麦などを混ぜ合わせて炊くご飯。ビタミン、ミネラル、食物繊維など不足しがちな栄養素を補うことができます。「ご飯は太るのでは?」と心配な方も多いのですが、糖質は身体にとって重要な栄養素。ダイエット中に摂る糖質は、よく噛むことができて、不足しがちな栄養素を補うことができる雑穀米がおすすめです。

牛乳


身体を支える骨を丈夫にし、イライラ防止に役立つカルシウムを効率よく摂ることができます。また、トリプトファンというアミノ酸は安眠効果もあり、身体のリズムを調えるサポートになります。

プルーン


果物の中でも、腸内環境を調える食物繊維、貧血を予防する鉄分、皮膚や粘膜を強くするビタミンA、細胞の老化を防ぐビタミンEとポリフェノール、代謝を助けるビタミンB群など、健康にも美容にも必要不可欠な栄養素がギュッとつまっています。

フランスでは、やせすぎモデルのファッションショーの出演を禁止する法案が可決され話題になりました。痩せていることが美しいのではなく、健康的に美しい身体作りが最先端の美容と言えるのではないでしょうか。

<執筆者プロフィール>
山本ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士、サプリメントアドバイザー、食生活アドバイザー
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中