モレスキン初の「手書き+デジタル」ノートセット:レヴュー

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モレスキンが手書きデータをデジタル化できる「Smart Writing Set」を発表。シンプルなデザインと多くのアプリ・端末との互換性を備えた新作の使い心地は? 『WIRED』US版記者による“正直な”レヴュー。

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紙を好む人は、いまでも大勢いる。手帳・ノートのメーカーとして成功しているモレスキンがそのいい証拠だ。同社では、売り上げの大部分を紙製品が占めている

そんなモレスキンが、「Smart Writing Set」を発売。価格199ドルのこの製品は、紙の手帳にメモやアイデアを書き留めるのがいまだに好きで、ただし自動的にデジタル化される利便性も求める層をターゲットにしている。

モレスキンは以前にもデジタル製品を手がけたことがある(日本語版記事)が、それはすでに(デジタルノートの分野で)シェアを握っているEvernoteやLivescribeと提携したものだった。だがSmart Writing Setは、モレスキンが初めて紙とペン、アプリのセット全体を単独でブランド化した取り組みであり、そこには自らの経験に基づく知恵がいくつも採り入れられている。

黒色のアルミ製スマートペン「Neo」は、Livescribeの太いスマートペンと比べるとスリムでシンプルなデザインだ。ペンの動きをすべて追跡してデジタル化する、隠し赤外線カメラという洗練された技術が組み込まれている。スマートフォンに使用されるメモリを内蔵することで、スリムなペンを実現している。

専用ノート「Paper Tablet」(単体価格は30ドル)も製品の重要な一部で、モレスキンによるほかの手帳と同様に、書く喜びを与えてくれる。

アプリでは、メモやスケッチを色鮮やかにしたり、メモの一部を消したりすることができる。各ページのタグ付けや検索、エクスポートが可能で、iCloudやGoogle Drive、Evernote、Adobe製品など、多くのアプリケーションや端末と互換性がある。アプリはいまのところiOS版しかないが、Android版も近々発売されるという。

ペンで書いたものがデヴァイスにすぐに表示されるのを見るのは、まるで魔法のようで、いまだに妙にうっとりさせるものがある。

ただし、約200ドルという価格にしては、ペン自体にはそれほど多くの技術が搭載されているわけではない。メモがきちんとデジタル化されているかどうかを確認するために、たえずアプリをいじる必要がある(筆者の経験では、ペンの電源をオンにするのをうっかり忘れて、メモを記録できなかったことがある)。また、ペンの電池は5時間書き続けても保つといわれているが、大量に書く人にとっては、1日書き続けると電池切れになってしまうということはありうる。

学生やアーティストといった人たちが、メモやイラストをときどきデジタル化したり共有化したりする目的で使用するなら、Smart Writing Setで十分だろう。だが、インタヴューを行う記者など、精度の高いメモを取る能力が必要な職業に就いている人なら、ほかの選択肢を探したほうがいいかもしれない。

筆者にとっては、評価は10段階中の7だ。使う人を「本格的なデザインオタク」に見せてくれる製品だが、クリエイティヴな楽しさに重点が置かれていて、細かいところまで配慮された機能という面では物足りない。