新スーパー食材「菊芋」のスゴい効果
「芋」という名前が誤解の元に 実はでんぷんはほぼ含まれない

里芋に似たゴツゴツとした外見に、「芋」がつくネーミング。最近、スーパーにも並ぶようになった菊芋ですが、見かけても新種の芋ぐらいに思っていた人も多いのではないでしょうか。

実はこの菊芋は江戸時代から日本で栽培されている野菜で、キク科ヒマワリ属に分類される多年草。名前の由来は、菊に似た花をつけ、その後で地中に芋(地下茎に栄養が蓄えられて太った塊茎)ができることからつけられました。ちなみに同じキク科のダリアやヤーコンも地下に芋ができます。
芋といってもでんぷんはほとんど含まれず、主成分は水溶性食物繊維のイヌリン。見た目は芋でも成分はまったく違うのです。

血糖値を上げにくい“天然のインスリン” イヌリンが主成分

菊芋の主成分・イヌリンは、水分を含むとゲル状になって、余分な糖質やコレステロール、塩分などを包み込み、吸収をブロックする働きがあります。イヌリン自体は糖質ですが、人の体内にはイヌリンを分解・吸収する酵素がないので、たくさん食べても血糖値に影響せず、他の余分な糖質の吸収までブロックしてくれるので、「天然のインスリン」とも呼ばれています。そのため、菊芋は2型糖尿病の患者さんの補助食品としても活用されています。

血糖値を上げにくい食事は脂肪の蓄積を防ぐため、菊芋はダイエット食材としても注目されています。カロリーも芋類よりぐんと低く、100gあたり35kcalとジャガイモの半分以下。太りたくない人、糖尿病はじめ生活習慣病を防ぎたい人は、ぜひ取り入れたい食材なのです。

ビフィズス菌など善玉菌のエサになり腸内環境を整える

さらにイヌリンは、腸に運ばれるとフラクトオリゴ糖に分解されて、ビフィズス菌など腸内にすむ善玉菌のエサになります。フラクトオリゴ等は悪玉菌には利用されないため、腸内が善玉菌優勢になるのを助け、腸内環境を整えてくれます。菊芋を食べた人が「お通じがよくなった」と言うのはそのためです。

ほかにも、老化を防ぐ酵素を助け、肌の新陳代謝を促す亜鉛や、抗酸化作用のあるポリフェノールやセレン、塩分排出を助けてむくみを改善するカリウムも豊富。カルシウムや鉄分など、女性の健康にうれしいミネラルも多く含まれています。

海外では「トピナンブール」。フレンチやイタリアンの食材にも

菊芋は食べるとシャキシャキした食感で、アーティーチョークに味が似ていることから、ヨーロッパではエルサレムアーティーチョークという呼び名もあるのだとか。フランスやイタリアでは「トピナンブール」と呼ばれ、最近は日本でもフレンチやイタリアンのシェフが取り入れている食材です。

「芋」という名前のために、これまではキンピラや甘辛い煮物に使われることが多かった菊芋ですが、砂糖やみりんを使った料理では、せっかくの糖質オフ効果が生かされません。

例えば薄く切ってローストしてサラダやみそ汁に入れたり、薄く切った菊芋を並べた上にチーズやシラス、サーモンをのせてオーブントースタで焼いてピザ風にすれば、立派な糖質オフメニューになります。菊芋のお茶やパウダー状にしたものも出ていますので、生の菊芋が出回らない季節には活用するとよいでしょう。