女性特有のうつ病?他人事ではない「非定形うつ病」とは

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春といえば新しい出会いや環境の変化などでワクワクする季節ですね。しかし一方で気圧が不安定なことや、環境の変化がストレスとなり“うつ”の症状が現れやすい時期でもあります。

そこで今回は、心理カウンセラーの筆者が、うつ病の中でも女性に多く見られる“非定型うつ病”と呼ばれる症状についてご紹介します。

■うつ病とは違うの?

従来型のうつ病は“定型うつ病”と呼ばれていますが、“非定型うつ病”は症状の出方が違うため“新型うつ病”とも呼ばれています。

定型うつ病は40代から50代の中高年がかかりやすいのに対して、非定型うつ病は20代から30代の都心部に暮らす女性に多いという特徴があります。

大きな違いは、定型うつ病は自分の好きなことにすら興味がなくなり無気力になってしまいますが、非定型うつ病は自分の好きなことなら楽しめるということです。

■「非定型うつ病」に多く見られる初期症状

まず精神的な症状として、感情の起伏が激しくなって突然「誰も私のことを分かってくれない!」というような孤独感を感じたり、ワケもなく「もう私なんて絶対に幸せになれない!」と悲観的になったり、嫉妬心や焦燥感がとても強くなったりします。

急に強い怒りの感情が湧いてきてキレる、そしてその感情がおさまると「なんでキレてしまったのだろう」と自己嫌悪に陥ってしまうこともあります。

そして甘いものがやたらと食べたくなるという症状も出ます。甘いものを食べると一時的に気分は高揚しますが、これはあくまで一時的なもの。血糖値の下降とともにまた気持ちが沈んで、また甘いものを欲するという悪循環が起こります。

■非定型うつ病と睡眠の関係

定型うつ病の症状としてよくみられるのが不眠ですが、非定型うつ病の場合は反対に、10時間以上も眠ってしまう“過眠症”の人が多いと言われています。これは医師が判断するときの診断基準のひとつとなっています。

ただし医師によっては、眠っていなくても横になっている時間を睡眠時間に含めたりすることもあるようなので、判断自体がまだ曖昧だともいえます。

このような眠気は、気持ちが落ち込んでいるときや体が重く感じているときに強まるとされ、大きなストレスから自分を守るための防衛反応と考えられています。

また、睡眠時無呼吸症候群の症状を持つ人は非定型うつ病になりやすいともいわれています。しかし、眠っているあいだ自分が無呼吸かどうかは気づくことが難しいので家族やパートナーにチェックしてもらうとよいでしょう。

睡眠時無呼吸症候群は肥満の男性が患う病気というイメージがあるかもしれませんが、小顔で顎の狭い女性にも見られる症状なので、心当たりがある方は注意が必要です。

いずれの症状も月経前に現れる気分や体調の変化との共通点が多く、未だに診断が難しいとされています。

服薬という方法もありますが、症状を抑えることはできても、薬で完治させることは難しいです。

非定型うつにならないためには、日々の生活の中で適度な運動をすることやバランスの良い食事をとること、自分の状態を把握してストレスと上手に付き合っていくことを心掛けてくださいね。

【筆者略歴】

※ SAYURI ・・・ 長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

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※ Kaspars Grinvalds / shutterstock