「実行するのは難しいが、かなりの確率で勃起力を高める方法もあるんです」
 こう語るのは性感研究の第一人者で、医学博士の志賀貢氏だ。

 これまでも勃起不全を改善するための裏技をいくつか紹介していただいているが、「実行するのは難しい」とはどういうことか。
 「できなくはないのですが、それぞれ様々な意味で勇気が必要なんです」

 はて? その意味を探るよりも、まずは今回の技の中身から教えてもらおう。
 「ポイントとなるのは、腹筋とPC筋です。PC筋とは睾丸とお尻の間、いわゆる“アリの門渡り”の部分にある筋肉で、オシッコを我慢するときにグッと力を入れる部分です」

 このPC筋は射精時にも働くという。そう、精液がピュッピュッと飛び出る時に動いているのだ。
 「腹筋とPC筋はペニスを支える筋肉でもあるので、ここが強ければ当然、勃起した際の“硬度”も強くなるのです」

 ただ、腹筋運動は面倒くさいし、PC筋を鍛えるなど一般的には無理。そこで、裏技が登場するのだ。
 「要は、腹筋とPC筋に力をグッと入れる状態が続けばいいわけです。一番簡単なのは、ベルトをきつく締める方法。腹部が圧迫されれば自然と腹筋に力が入り、PC筋も締まるのです」

 なるほど…だが、頷いている場合ではない。ベルトを締めたままセックスなどできるはずがない。
 「そう。だから実行するのは難しいのです。もちろん、恥を忍んで、全裸にベルトを巻き付けても構わないのですが(笑)。その点は、パートナーの女性と相談してください」

 うーむ。だが、他にも裏技はあるという。
 「これもどうかと思うのですが…。排泄を我慢するんです。“大”が漏れそうな状態の時、腹筋とPC筋に力が入りますから。医学的には間違っていないのです」
 ベルトを巻く方法に比べ女性にはバレないが、漏れそうな状態で腰を振るのも、なんだか難しそう。もちろん、挑戦できるという方はぜひ、試していただきたい。

 そしてもう一つ、最強の裏技があった。
 「お尻に異物を突っ込むのです。一番のオススメは、エネマグラと呼ばれる男性用のアナルグッズで、前立腺に当たるようになっているんです」

 確かに、お尻に何かを突っ込んだ状態は、先ほどの排泄を我慢することと同じかもしれない。さらに、エネマグラの場合、男性のGスポットと呼ばれる前立腺を刺激してくれるため、快感も得やすい。だが、どう考えても、滑稽な風景ではある。
 「まあ、女性にバレないように、いざ挿入の場面でこっそり仕込むことはできるかもしれませんよ」

 実行するのは難しい、という意味が、これでお分かりいただけたはず。
 「一番いいのは、挿入中に腹筋に力を入れて、お尻の穴も締めるように意識することですね(笑)。これでも腹筋とPC筋に力は入りますから。中折れしそうでヤバい! となった時の、対応策ともいえます」

 ちょっとした豆知識だが、本当にピンチを迎えた時、少しは役に立つかも?

志賀貢
医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたセックス&口説き術にまつわる著書も多数ある。