虐待が原因で死亡した可能性がある15歳未満の子どもが年間で350人に達するという推計を2016年3月、日本小児科学会が発表した。

一方、厚生労働省の集計では虐待死した子どもの数は年間約90人前後で、今回の推計とは4倍もの開きがある。同学会は「検証すべき事例が闇に埋もれてしまっている可能性がある」と警告した。

警察も調査を始めた「闇に葬られた死」

調査したのは、東京都、群馬県、京都府、北九州市の4自治体で、2011年の1年間に死亡した15歳未満の子どものうち368人を検証した。担当医師などへの聞き取り調査も行ったところ、虐待死の可能性が中程度以上ある子は27人いた。この割合を全国の子どもの死で換算すると、毎年約350人の子が虐待死している可能性があるという。

一方、厚労省が全国の自治体から集計した虐待死した子どもは、11年度は99人、12年度は90人、13年度は69人だったため、今回の検証結果とは約4倍の差がある。「闇に葬られた死」の見逃し防止については、警察庁にも動きがある。16年度から、警察が取り扱うすべての遺体に対し毒物が使われたかどうかを検査する。関西で起きた筧千佐子被告による青酸化合物連続不審死事件のうち、警察は5件を「病死」と判断していたためだ。