直らない子どもの失言 アスペルガーかも?

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まだ発達が未熟な段階の子どもは、失言して親を困らせることもしばしば。でも、そういった経験を通して、だんだん相手の気持ちを推し量り、思いやる心を育んでいくものです。ところが、いくら言い聞かせても失言がいっこうに直らない、年齢を重ねても失言が直らない…。そんな場合は、もしかしたら、“アスペルガー症候群”の可能性も? そこで、子育て本作家・講演家の立石美津子さんにお話を伺いました。

「アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラム(=連続体)のひとつと言われ、対人関係やコミュニケーションの問題を抱えています。場の空気を読んだり、相手の気持ちを理解したりすることが難しいため、相手がどう思うか? ということを想像できず、見たまま“太っているね”“チビだね”などと言ってしまったり、不適切な言葉で相手を傷つけてしまうこともしばしば。つまり、失言してしまうのは本人の努力不足でもなく、親御さんのしつけの問題でもなく、生まれつきの脳の機能障がいだからなのです」

ほかにも、一人遊びが多い、他の人に比べて不器用、積極的すぎる一面がある…などの特徴がみられるという。わが子はアスペルガー症候群かも? と思ったときに、よく実施される「サリーとアン」という課題があるそう。内容は以下。

1)サリーはカゴと玉を持っています。

2)アンは箱を持っています。

3)サリーは、持っていた玉をカゴのなかに入れて部屋を出ます。

4)アンは、その玉をカゴから出し、自分の箱に入れます。

5)箱を置いて、アンは外へ出ます。

6)そこへ、サリーが帰ってきました。

7)さて、サリーは玉を出そうとしてどこをさがすでしょうか?

正解は、カゴの中

「このテストは、自分の視点以外(サリーの視点)に立てるかどうか? そして、サリーの“玉はカゴのなかにある”ということを理解できるかの課題です。健常児の多くの場合は、4〜5歳程度になると正解できますが、相手の気持ちを推し量る“心の理論”が育っていない自閉症児(アスペルガー含む)は、この課題をなかなか通過できないことで知られています」

アスペルガーの人は、周りから誤解を受けたり対人関係に悩んだりしながらも、気づかないまま大人になってしまうケースも少なくないという。

「小さいうちに早期発見できれば、療育やソーシャルスキルトレーニングを受けることもできますし、例えば日々のいろいろな経験のなかで親御さんが具体的に言ってはいけないことを書き出し、なぜ言ってはいけないかを説明していくなどして対策を講じることもできます」

さらに、原因が明確になることで親御さんも子どものつらさを理解することができ、さらに周りの人にも理解してもらうきっかけにもなるという。

「お友達やママ友、周囲の人に“この子は生まれつきの脳の特性(アスペルガー症候群)なので、心に思ったことをすぐ口にしてしまい傷つけてしまうこともあるけれど、そんな時は許してね”と、伝えておけば、周りも理解してくれます。そうすることで、親子共々それまでよりずっとラクに生きられるだけでなく、周りの人も温かい支援の手を伸ばしてくれるでしょう」

もし、お子さんの改善されない失言や人間関係に悩まされている親御さんは、まずは“サリーとアン”の課題を試してみてはいかがでしょうか?

(構成・文/横田裕美子)