不妊治療を検討する場合、かかる費用は夫婦間で熟慮するべき要素のひとつ。長期化した場合や治療の種類によっては、高額になるケースが少なくない。治療期間やオプションの有無など、家庭の所得は治療を受けるときの判断基準にもなるそう。不妊治療はどれくらいかかるものなの?

「一般的に、初期の検査や治療は保険適用で受けることができます。適用外の治療については、医療施設によって多少金額の違いがあります」(片桐先生 以下同)

片桐先生が所属する東邦大学医療センターでは、不妊症スクリーニング検査費用は合計で約2万円。ただし、月経周期にあわせて複数回の受診が必要になる。スクリーニング検査後にタイミング指導を受ける場合、月経周期あたりの費用は、約5000円が一般的だそう。

「保険の適用になる検査でも、月に受けられる回数は決まっています。例えば、超音波の検査が回数を超えるなどして、自費が発生することも考えられます」

●不妊治療、かかる金額は?

また同センターでは、排卵誘発剤の使用、女性の体内から卵子を取り出す採卵、体外受精を行う場合、1周期に(受精・妊娠にトライするための一通りの施術1回分)かかる費用は、約40万円。ただし、施設や受ける治療、その組み合わせによっても、変わってくるそうだ。

「検査結果によっては、タイミング法からではなく、人工授精する治療からスタートすることもあります。妊娠適齢期を過ぎると、自然と高度な治療が必要になる確率も上がります。人工授精を含む医療の介入度が高い高度生殖医療は、保険適用外。そのことも頭において、妊娠・出産のタイミングを検討しましょう」

高額な出費が予想される不妊治療の費用については、助成制度も用意されている。体外受精と顕微授精は「高度生殖医療」とよばれ、助成金の対象だ。諸条件はあるが、1回の治療につき15万円(初回は30万円)まで、通算5年間で最大10回(初年度は年3回、2年目以降は年2回まで)の助成を受けられる。国の助成以外に各自治体でも軽減制度があるので、公式サイトで確認しよう。

また、保険適用になった費用も含めて、不妊治療は確定申告で医療費控除を受ける対象。かかった検査や治療で領収証は年末調整まで保管したい。

ただでさえ不安を抱えがちな不妊治療。子どもを授かるためにも治療している間のストレスは避けたい。治療費とも上手に付き合っていこう。

(ノオト+石水典子)