男女の平均年収差は約2倍! どんな企業が高収入? 民間給与実態統計調査まとめ

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新しい年度が始まって、職場にはフレッシュな新人たちの姿も見られます。景気は足踏みながらも上向きのようです。新人さんたちはいくらお給料をもらえるんでしょうね。
それより気になるのは、同年代のお給料。意中の彼はいくらもらっているんでしょうか?
昨年9月に発表された国税庁の民間給与実態統計調査から、まとめてみました。

■平成26年調査の概要

●対象となった給与所得者の基本データ

47.2%が100 人未満の事業所に属し、5000人以上の大企業には11%しか所属していません。圧倒的多数の人が、中小企業に勤めている現実です。
給与所得者の平均年齢は45.5 歳(男性45.4 歳、女性45.6 歳)です。給与総額は、前年から2兆7,212 億円(1.4%)増加しています。

●平均年収

全体:415 万円(対前年比0.3%増)
男性:514 万円(同0.6%増)
女性:272 万円(同0.3%増)

●社員形態

正規:478 万円(同1.0%増)
非正規:170 万円(同1.1%増)

●男女別

正規男性:532 万円(同1.1%増)
正規女性:359 万円(同0.9%増)
非正規男性:222 万円(同1.1%減)
非正規女性:148 万円(同2.9%増)

平均年収の男女差は約1.9倍、ほぼ2倍もあるのに驚きます。おそらく、女性には非正規ではたらく人が多いことが影響しているのではないでしょうか。そんな非正規女性と正社員で働く女性の給与差は約2.4倍もあります。扶養内で働く女性が多いためとも考えられますが、このちがいは大きいですね。正社員男性と非正社員女性との差は約3.6倍にもなります。働く女性にとって厳しい現実です。

■年代別平均年収と男女の平均年収差

続いて、年収を年齢別に比べてみましょう。同時に、男女の平均年収差も掲載しています。

●19歳以下

男性平均年収:157万円
女性平均年収:104万円
合計平均年収:130万円
男女の平均年収差:53万円

●20〜24歳

男性平均年収:264万円
女性平均年収:231万円
合計平均年収:248万円
男女の平均年収差:33万円

●25〜29歳

男性平均年収:378万円
女性平均年収:297万円
合計平均年収:344万円
男女の平均年収差:81万円

●30〜34歳

男性平均年収:446万円
女性平均年収:301万円
合計平均年収:392万円
男女の平均年収差:145万円

●35〜39歳

男性平均年収:502万円
女性平均年収:293万円
合計平均年収:425万円
男女の平均年収差:209万円

●40〜44歳

男性平均年収:564万円
女性平均年収:290万円
合計平均年収:457万円
男女の平均年収差:274万円

●45〜49歳

男性平均年収:629万円
女性平均年収:290万円
合計平均年収:487万円
男女の平均年収差:339万円

●50〜54歳

男性平均年収:656万円
女性平均年収:291万円
合計平均年収:496万円
男女の平均年収差:365万円

●55〜59歳

男性平均年収:632万円
女性平均年収:270万円
合計平均年収:480万円
男女の平均年収差:362万円

●60〜64歳

男性平均年収:477万円
女性平均年収:227万円
合計平均年収:373万円
男女の平均年収差:250万円

男性では55歳未満までは年齢が上がるにしたがって高くなり、50〜54歳時点が最も高くなっています。一方で女性は年齢による差は男性ほどありません。そのため男女の差は、20〜24歳時点でたった33万円だったのに対し、その後は開いていく一方。男性が最高年収となる50〜59歳時点での差は365万円にも上ります。女性の昇給の難しさや、結婚や出産後に非正規へと変わる割合、そのような背景がこの数字にあわられているのではないでしょうか。

■会社の従業員数と年収の関係

企業従業員の数と年収の差を比較してみました。

●従業員10人未満の年収ボリューム層

男性:300万円以上400万円以下(20.7%)
女性:100万円以上200万円以下(31.6%)
合計:100万円以上200万円以下(22.2%)

●従業員30人以上の年収ボリューム層

男性:400万円以上500万円以下(17.4%)
女性:100万円以上200万円以下(24.6%)
合計:300万円以上400万円以下(16.8%)

合計では、従業員数が少ない企業と多い企業の差は200万円も違いますが、女性に限ってみると差はないという結果になりました。それはどちらの規模の企業でも、女性は非正規として勤め、年収が低い割合が高い、という背景をあらわしているのではないでしょうか。

■企業の規模と年収の関係

企業規模別に年収の差を比較してみました。

●資本金2千万円未満の年収ボリューム層

男性:300万円以上400万円以下(23.9%)
女性:100万円以上200万円以下(29.6%)
合計:200万円以上300万円以下(22.2%)

●資本金10億円以上の年収ボリューム層

男性:500万円以上600万円以下(14.2%)
女性:100万円以上200万円以下(24.2%)
合計:400万円以上500万円以下(12.5%)

こちらも大企業は年収も高いという結果ですが、女性に限っていえば差はないようです。ただし、女性も資本金2千万円未満の企業では600万円以上700万円以下の年収の人は0.9%ですが、10億円以上の企業では4.6%いたという結果が出ています。やはり大企業のほうがお給料はいいということになるでしょうか。

■業種別の年収比較

業種別に年収のボリューム層を比較してみました。どの業種の年収が高いのでしょうか。

●年収800万円以上がボリューム層の業種

電気・ガス・熱供給・水道業……32.7%
金融業・保険業……24.1%
情報通信業……19.6%

●年収200万円以下がボリューム層の業種

卸売業・小売業……20.8%

●年収100万円以下がボリューム層の業種

宿泊業・飲食サービス業……28.4%

電気やガスといったインフラ系の業種は高収入であることが多いようです。また、小売業、サービス業の年収が低いのは、女性、非正規社員の数が多いことも考えられます。

■まとめ

男女差、正規・非正規、企業の大きさ、業種による年収の格差はやはりあるということがわかりました。今の仕事に疑問をもっていれば、転職の参考になると思います。しかし、年齢や企業の大きさが女性の年収にあまり関係していないということも同時にわかりました。まだまだ、働く女性に厳しい社会であることは変わりないようです。正規非正規で年収差が大きくある現実からも、結婚や出産で安易に仕事を辞めない選択を視野に入れるのがよいかもしれません。

(岩崎弘美/フォルサ)

参考資料:平成26年分民間給与実態統計調査(国税庁)
https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2014/pdf/000.pdf