お年寄りの死因になりやすい5つの病気

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執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)

若いうちは治る病気でも、年を重ねるごとに免疫力が低下し、治すのが難しくなります。
2015年7月5日、男性で当時世界最高齢だった百井盛さん112歳が、慢性腎不全のため亡くなりました。
明治36年生まれの百井さんは、午前7時ごろに起き、夜は8時に眠るという規則正しい生活を送っていたそうです。
ここでは、お年寄りが亡くなる死因になりやすい、5つの病気をご紹介します。

お年寄りの死因になりやすい5つの病気


厚生労働省が平成22年に発表した人口動態統計月報年計によると、15〜39歳の死因の第1位として挙げられるのは「自殺」です。
また、15〜29歳の第2位には「不慮の事故」が挙げられます。一方で、 お年寄りの死因 として多いものは次の5つです。

悪性腫瘍


日本のがんの死者数は年々増加しています。これは日本の少子高齢化と関係があり、がんは高齢者にかかりやすい病気だということが起因しています。厚生労働省の「人口動態統計」によると、60〜89歳までのお年寄りの死因の1位は「悪性腫瘍」と発表されています。特に男性では肺がん、女性では大腸がんによる死因が多いのが特徴です。

がんの成長は遅く、検査で見つかるほどの大きさになるまでに10〜15年ほどかかると言われています。そのため、男女ともにだいたい40代まではそれほどがんのリスクは高くありません。しかし、飲酒や喫煙などの生活習慣により、肺がんや胃がんの発症率が60代になると高まります。

心疾患


90〜99歳の お年寄りの死因 第1位が「心疾患」です。心疾患では心筋梗塞や不整脈、弁膜症などが挙げられます。心疾患には生まれつきのものである先天性疾患と、感染症や動脈硬化、加齢によっておこる後天性疾患がありますが、高齢者の場合は後天性疾患が多いです。

もともと高齢者は全身の動脈硬化が進んでいることが多く、血圧が上昇傾向にあります。そのため、心臓の壁が厚くなり、血液が流れにくくなります。
さらに年をとると、規則正しいリズムで心臓を収縮する役割を持つ洞結節に始まる刺激伝道系の細胞の数が減少します。そのため、不整脈や高血圧になり、心疾患にかかるリスクが高まるのです。

脳血管疾患


最近では若い人にも見られる脳梗塞ですが、80歳以上のお年寄りの死因となる病気4位が「脳血管疾患」です。年をとると動脈硬化が促進されやすくなり、血管に圧力がかかるため脳梗塞のリスクが高まります。突然発症すると思われている脳梗塞ですが、なかには脳梗塞の前触れが出ていることがあります。

□転倒しやすくなる
□歩くときにフラフラする
□ろれつが回らない
□片目が見えなくなる

多くは数十分以内に消えてしまう症状のため、見過ごしてしまうことが多いです。少しでも異変を感じたらすぐに病院へ行きましょう。

肺炎


90〜94歳の お年寄りの死因 第2位にあがるのが「肺炎」です。肺炎はインフルエンザや風邪から引き起こされることが多い病気です。肺に侵入したウイルスや細菌が肺胞に増殖することで炎症が起こり、肺炎にかかります。高齢者の肺炎は、食べ物などの飲み間違えによる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」も多いのが特徴です。
若い人が肺炎になっても命を落とすことはないと言われており、肺炎で亡くなった人の95%は65歳以上の高齢者です。その理由は、免疫力が低下していることで、肺炎による合併症をもたらすから。肺炎だけでなく呼吸器疾患や心臓病などの合併症を起こし、重症化しやすいために死をもたらすことが多い傾向があります。

老衰


100歳以上の お年寄りの死因 第1位は「老衰」です。老衰は、年をとることによってさまざまな身体の機能が低下することで死をもたらします。

(1)飲んだり食べたりする力がなくなる
(2)全身の筋力がなくなる
(3)消化をする力がなくなる

上記のことが当てはまり、脱水症状や歩行困難な状態になり、寝返りも打てなくなります。死因と特定できる病気がなく、徐々に死に至ることを指すため、最近では「老衰」を病名としない見方も出てきています。
お年寄りになると、なんてことはない症状でも重症化する可能性があります。小さな変化でも見逃すことがないよう、気を付けたいですね。

参考:平成22年人口動態統計・月報年計(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai10/toukei07.html)