Q:風邪をひいてもいないのに、喉がイガイガして違和感があります。ストレスが多く、イライラすると、いっそうひどくなるようです。何か喉の病気があるのでしょうか。(45歳・信託銀行勤務)

 A:このような症状の場合、耳鼻咽喉科ではファイバースコープという非常に細い内視鏡を鼻から挿入し、喉仏の高さにある声帯まで観察します。この検査を行うと、たとえば声帯ポリープや喉頭がんなどがあった場合、大抵その場で診断することが可能です。
 ところが、喉の違和感の場合、見た目に異常が見つからないことが多いのです。その場合、咽喉頭異常感症と診断されます。ご質問の方もこの病気の可能性が高いと思われます。
 この病気なら心配ありません。しかし、症状が消えてしまうとよいのですが、自覚症状が残る場合があり、そういうときには治療を行います。

●漢方薬も有効
 ご相談の方は、ストレスが多いとのこと。ストレスを和らげる効果のある抗不安薬が有効かもしれません。それでも改善しにくい場合は漢方薬の使用も検討します。
 このような状態を治療する漢方薬の代表として半夏厚朴湯が有名です。この漢方薬で効果があまり得られない際には、喉の状態が乾燥しているときは潤す働きを持つ漢方薬を、分泌物が多い場合にはそれを抑える働きを持つ漢方薬を使用することもあります。
 また、他に疑われる病気として逆流性食道炎があります。この病気は、胃の中に分泌される胃酸が食道に逆流して喉の違和感などをもたらします。
 ゲップや胸焼けなどの症状を伴っている、あるいは脂っこい食事をよく食べてしまう、コーヒーを多量に飲むなどの習慣のある患者さんには、この病気の可能性が高くなります。
 治療は食事をはじめとした生活習慣の改善を行うとともに、PPI(プロトンポンプインヒビター)という胃酸の分泌を抑える薬を内服します。
 なお、以上のような症状は、咽頭がんや喉頭がん、食道がんなどの病気によって生じることもあります。検査をして、それらの病気がないことを確認しておくことが重要です。

谷山岳司氏(谷山耳鼻咽喉科クリニック院長)
奈良県立医科大学卒。奈良医大附属病院、伊勢赤十字病院等を経て、現在、谷山耳鼻咽喉科クリニック(奈良県香芝市)院長。地域の方々によりよい医療を提供すべく日々奮闘中。