第1期電王戦第1局は85手まででPONANZAの勝利。山崎叡王は粘ったもののPONANZAの攻めに屈する

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電王戦第1局の2日目は、前日同様岩手県平泉の中尊寺本堂裏の大広間で指し継がれました。一夜明けて展開を読んでいたのか、山崎叡王はあまり時間をかけずに指し進めましたが、PONANZAの優勢は崩れず、厳しい攻めが続き山崎叡王が投了しました。

タイムシフト再生(有料)は以下。





今回の棋譜はこちらから。

第1局の模様はこちらの記事を参照してください。

 

2日目の始まりは、まず前日の指し手をお互い指し進め、封じ手を開封。大方の予想通り△3一角打でした。これに対しPONANZAは、しばらくして▲5四銀打。山崎叡王はこれを受けずに△2九飛成とし、前日の終盤同様、激しい展開が続きます。

↑封じ手を開封して指す山崎叡王。

朝に渡辺竜王が「コンピューターはPONANZAがいいと言っているけど、そこまでいいのか疑問。山崎叡王もまだやれる印象」と言ってましたが、苦しい展開が続いています。

↑渡辺竜王が、朝に外でコメントしているときの様子。

ただ2日制になったことで、封じ手後じっくり今後の展開が読めるのと、リフレッシュして再度戦いに臨めるという点で、人間にとってはいいことかもしれません。前日はかなり時間を使ってしまいましたが、午前中の展開は山崎叡王よりPONANZAのほうが持ち時間を使う展開でした。

↑封じ手に対して、▲5四銀打を指す。

検討室にいる阿部五段は、山崎叡王の勝ち筋が見えないと嘆くほど、厳しい戦いで昼食休憩までPONANZAの+800ぐらいまで差が広がってしまいました。

午後に入り、開始すぐに△2六歩打と屋敷九段いわく「予想していない手。勝負手という感じがします」。これに対してPONANZAは、△5四飛打と強い手に出てきて、評価値は+1300を超えてしまいました。山崎叡王はここで1時間以上長考し残り時間は1時間半。PONANZAは4時間10分です。

↑検討室のコンピューターソフトの予測画面。この隣には、プロ棋士たちの検討室がある。

15時半の時点で67手目▲3六歩が森内九段は最初良くわからないようでしたが、△同角だと後手には悪い展開になると判明。評価値は2000を超え、山崎叡王にはもうあとはない感じになってしまいました。

さらに16時前、▲5三桂の王手に対し、△3一玉、▲4一飛打、△2二玉。▲4一飛打、△2二玉、▲2三歩を打ったところで、山崎叡王はガクッとうなだれました。評価値も2800を超え、いつ投了してもおかしくない状態になり、最後は、どちらもノータイムと読みきった感じで進んでいき、16時31分、85手で山崎叡王が投了しました。評価値はPONANZAの4500以上。残り時間はPONANZAが2時間53分、山崎叡王が51分でした。

↑勝利したPONANZAの開発者山本氏。

↑負けてしまった山崎叡王。終局後のインタービューでの模様。

今回の戦いは、PONANZAに終始押されてしまいました。評価値的にも優位に立つことはなく、徐々に差をつけられた感じで、ギリギリの戦いではありましたが、PONANZAのうまい攻めによる完敗と言ってもいいかもしれません。ただ、将棋としてはいい勝負だったと思います。

PONANZAのいいところは、序盤の指し手をうまく変えてくるところでしょう。対局相手の読みを外すのがとてもうまいと思います。

↑終局後の記者会見の模様。

PONANZA開発者・山本氏

勝ててスゴイ嬉しいです。

PONANZA開発者・下山氏

序盤が不安のあるPONANZAでしたが、本局は無難に挿してくれました。

山崎叡王

開始の戦型として少し選びたくなかった戦型になってしまった。封じ手前まではいけていたんですが、飛車を打って戦いを収めるかどうしようか迷いました。本局では戦いを選んでしまいましたが、大局観が生かせなかったのが残念です。

第2局は、5月21日より滋賀県比叡山延暦寺に場所を移して行なわれます。コンピューター将棋と戦うことで、今までにない手を指されるため、人間のレベルもさらにアップします。山崎叡王の巻返しに期待したいところです。