4月3日に決勝レースが行われたスーパー耐久開幕戦「スーパー耐久シリーズ2016 第1戦 もてぎスーパー耐久」。

FIA GT3規格のST-Xクラスからフィット、ヴィッツ、デミオなどのコンパクトカーで争うST-5クラスまで総勢62台というの大量エントリー!

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ST-Xクラスでは日産GT-R NISMO GT3からBMW Z4、メルセデスSLSなどSUPER GTのGT300クラスのような顔ぶれ。

ランサーの横をフェラーリが駆けぬけるという珍しいレース風景がみられるのは、日本ではスーパー耐久シリーズだけの魅力です。

そんなスーパー耐久シリーズに昨年から投入されたTEAM NOPROのデミオディーゼル「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」。

昨年はスターティンググリッドがすべて最後尾という不名誉な記録を更新しましたが、最終戦の鈴鹿でST-5クラスで3位の表彰台に登り、シーズンが終わってみればクラス4位という好位置に。

昨年の実績を見れば、今年は更なる期待を抱かずにはいられません。

そのデミオディーゼルが開幕戦のもてぎで5時間を走りきり2位で表彰台に登りました。

軽量化に明け暮れた昨年でしたが、今年は速さの部分にも手が入ることになり、予選順位はST-5クラス13台中8位。それでもラップタイムでクラストップから3秒差がついている状態です。

しかし、スタートドライバーの谷川達也選手は余裕の表情。なぜか?

デミオディーゼルの強みはなんと言っても、レーシングスピードでの圧倒的な燃費のよさ。ライバルが給油などで2時間で3回以上のピットインをする間、デミオディーゼルはノーピットで走りきるほどの実力を持っています。

そのライバルがピットインをしている間に、気がつけばトップ!それも2位に2周差をつけてのトップを20周以上に走ります。

このままピットイン回数を規定の3回だけで終わらせて、その間にどんどん周回差を広げて行こうという作戦だったといいますが、スタートからちょうど3時間、タイヤトラブルのために緊急ピットイン。

タイヤ交換と給油のみ、ドライバーチェンジは行わず、タイムロスを最小限にとどめてピットアウトしていきます。それでも順位は4位まで落ちてしまいますが、ロングランは続行。

その総計2時間以上もロングランをしたのは井尻薫選手。緊急ピットイン後にはトップのマシンと互角のラップタイムを刻み、なおかつ走りで前走車を追い抜いて見せるなど、かなりエキサイティングな見せ場を作ってくれました。

その井尻選手に2時間に及ぶロングランについて聞いてみると「この季節だからそんなに辛くはなかった。クールスーツは着てなかったから背中に汗はかいているけど、クルマが乗りやすいから疲れた!というほどの疲労はしてませんね」とのこと。

作戦といえば、マシンのつくりにしても燃費を活かした作戦に合わせている様で、他車に比べて給油回数が少ないために給油口を車外に作ることを避け、トランク内の安全タンクに直接設けた給油口に給油するつくりになっています。この方が数kgほど軽く作ることができるとのこと。

ディーゼルはエンジン単体の重量がかなりあるために、他の部分をどこまで軽量化するかがディーゼルレーシングカーを作るうえでのポイントだ、と監督の野上敏彦さん(上の写真右)は語っています。

そんな、徹底した作戦に合わせたマシンをロングランした井尻選手からバトンタッチしたのは野上達也選手(上の写真左)。

そしてラスト1時間。再び谷川選手がドライブ。上位にいた1台がトラブルでピットに入り大きく順位を落とすと、デミオは順位を3位に。そして谷川選手が前走車を自力で抜き去ると順位を2位まで上げていきます。

そして5時間後のゴール!

堂々の2位入賞で表彰台に登ります。

耐久レースは速さだけがすべてではない!ということを一人ひとりの強さと、それを総合したチームワークで実証し、そしてクリーンディーゼルがモータースポーツで活躍する時代の幕を開けたTEAM NOPROのデミオディーゼル「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」。

第2戦以降も活躍を期待します。

(写真・文:松永和浩)

【スーパー耐久2016】開幕戦もてぎ5時間レースでデミオディーゼルが2位表彰台の快挙!(http://clicccar.com/2016/04/10/364924/)