通信途絶のX線天文衛星ひとみ続報・リアルな動きのタコボット・SCHAFTの変形2足歩行ロボット(画像ピックアップ27)

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1週間のあいだに拾いきれなかったをニュースを集めてお伝えします。今週は「JAXAのX線天文衛星ひとみ続報」、「タコボットの研究」、「変形する2足歩行ロボ」といった話題をまとめました。

ASTRO-H「ひとみ」、5.2秒周期で高速自転。JAXAは継続して通信復旧方法を検討





X線天文衛星「ひとみ」こと ASTRO-H が交信および制御不能になっている件で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月8日に会見を開き、姿勢制御系統の異常のために機体が高速回転し、太陽電池パネルが本体から分離してしまった可能性があると発表しました。

東京大学などが観測した結果から、現在 ASTRO-H は5.2秒で1回の高速回転状態にあるとされます。また構造上、3秒に1回の回転数に達するとX線望遠鏡本体や太陽電池パネルが遠心力でちぎれ飛んでしまう可能性があるとのこと。

先週、JSpOCの報告で周辺に物体があるとされて以降も3度電波を受信したと主張していたJAXAですが、その後は電波の受信も途絶えています。もし太陽電池パネルがすでに分離しているとすれば、バッテリー残量は減るばかりでも通信再開はますます困難な状況になっているとも考えられます。

ただ、それでも JAXA は「一部は機能が残存している可能性がある」として、「通信復旧と回転運動への対処を検討する」としています。

DARPA の対潜水艦無人追尾艦 ACTUV 、"Sea Hunter"と命名



米国防高等研究計画局(DARPA)が、3月末に進水、速度テストを実施した無人対潜哨戒艦 Anti-Submarine Warfare Continuous Trail Unmanned Vessel(ACTUV)の命名式を実施、「Sea Hunter」といういかにもな名前をつけました。

Sea Hunter は自律航行システムを搭載して無人化し、乗員の生活スペースを省略したことで、ソナーブイが発見した不審な潜水艦を数か月自動追跡し続けることができます。進水式を終えた現在は、レーダーとカメラを使って自動的にほかの船舶を認識、回避して航行するテストを実施中とされ、この夏にはカリフォルニア沖の外洋で本格的な性能試験を開始します。


タコボットの研究



同じ水中でも、こちらはロボットの話。イタリアの Scuola Superiore Sant'Anna(SSSUP) などの研究者で編成される研究チームが、水中用のタコ型ロボットを開発しています。タコやイカは8〜10本の足で歩くこともできれば物をつかむこともできます。これらは少ない計算量で実現できる理想的な動きとされ、研究チームはタコの動きを模倣して水中を自由に動けるロボットを作りたいと考えています。

タコの泳ぎは足の動きだけでなく、吸い込んだ水を漏斗管から吹き出して推進力とします。これも複雑な動きは必要なく、やはり計算負荷の低い効率的な泳ぎ方としてロボットへの取り込みが研究されています。


このロボットがいずれ映画『マトリックス』の"センチネル"になるか、ファミコンゲーム『MOTHER2』の"マル・デ・タコ"になるかは今後の研究しだいです。

ちなみに冒頭の写真でタコロボットの上に乗っているのは Logitech(日本ではLogicool)の USB カメラ Quickcam Sphere(またはOrbit)と思われます。とすればこのカメラは防水ではないはず。たしかに紹介動画の中ではこれを取り付けている映像はありません。

[Source : IEEE Spectrum]

Google グループの新たな2足歩行ロボット


 

 

ロボットといえば、やはりタコではなく人型の2足歩行ロボット。このタイプでは最近 Boston Dynamics の Atlas の進化ぶりが大きな反響を呼びました。Atlas も、先ほどのタコ型ロボットも、自然界に存在する動物の形状、骨格、その動きを模倣することでその機能を進化させています。

一方、東京大学発で現在は Boston Dynamics と同じ Google 傘下のロボット開発ベンチャー SCHAFT は、既存の概念にとらわれず、日本ならではの"からくり"的機構を取り入れたともいえそうな2足歩行ロボットを発表しています。



SCHAFT のロボットは2本の足をつないだだけの形状にも見えるものの、その足には膝に当たる部分がなく、1本の棒のようです。しかし、股関節の部分が大腿部にそって上下移動可能で、さらに自在継手のようになっているため、ときには人間のように、ときには鳥足というか某ロボットアニメの、いわゆる「ガウォーク形態」に近い状態に変形可能。この変形機構で、階段のような段差も狭い場所でも歩行でき、また高度なバランス制御能力を備え、足もとに転がるパイプがある場所、大小の石に乗って滑るような砂利浜、さらに足が新雪にはまり込む雪山なども、転ばずに踏破します。

[Source : Poplar Science]

Facebook が武器売買のプラットフォーム化


 

SCHAFT とおなじ Google 傘下の Boston Dynamics は、もともとは DARPA の支援をえて、「戦場の前線に補給物資を届ける」ことを目的とした4脚ロボット LS3 を開発していました。

一方、Google と並び称されるインターネット企業 Facebook は「世界中にインターネットを届ける」ことを目的として、ドローンとレーザー光線を使ってインターネット回線を提供する事業を進めたりしています。ところが、この Facebook が、売買プラットフォームとして「世界中に武器を届ける」ためにも利用されていたことが報じられました。

Armament Research Services の報告によると、Facebook グループの中でリビア、シリア、イラク、イエメンなどに武器が販売されており、その種類は重機関銃、グレネード・ランチャー、ロケット弾など多岐にわたります。

Facebook は2015年、Messenger に簡単に送金できる機能を追加しており、グループに登録した商人と、武装勢力が、これが武器売買に悪用されている可能性も考えられなくはありません。

The New York Times が Facebook で7つのグループが武器売買をしていることを報じたところ、素早い反応を見せた Facebook は翌日には売買の形跡を確認した6グループを強制閉鎖、残る1グループは販売には使われていなかった模様です。