肥満体国アメリカでは、2011年1月、農務省と保健社会福祉省が、2歳以上の健康増進、適正体重の維持および疾病を予防するため、「食事指針」を5年ぶりに改定した。成人の3分の2以上が肥満、または体重オーバーという危機的状況にあるアメリカだが、どのような指針が打ち出されたのか。その二つの大きなテーマが、「体重を維持するためのエネルギーバランス」と、「栄養価の高い食品・飲料の積極的摂取」である。
 「体重を維持するためのエネルギーバランスの考え方には、総摂取エネルギー量を調整する方法と身体活動量を増やす方法が含まれています。一方、栄養価の高い食品・飲料の積極的摂取という考え方には、野菜や果物、全粒穀物、無(低)脂肪牛乳や乳製品、魚介類を頻繁に摂取し、逆にバターや肉の脂身、チーズ、クロワッサンなど常温で固体の油脂や、菓子・清涼飲料水などに加えられる糖質、そして、塩分を控え目にすることなどが含まれています」(前出・健康ライター)

 日本では炭水化物の摂取を減らして健康を維持する方法が注目を浴びているが、それは世界的な傾向だ。アメリカでもハーバード大学の研究者が白米を多く食べると肥満・運動不足・ストレスなどをきっかけに発病する2型糖尿病の発症リスクが高まる恐れがあるとの研究結果を発表している。
 「人類が炭水化物を多量に摂取し、エネルギーの半分以上を炭水化物で摂取するようになったのは、ごく最近のことです。人類は数百万年の歴史を通じて、ずっと狩猟採集生活をしていた。現在でも、エスキモーの一部の人などは狩猟生活をしているが、メタボリックシンドロームの人や糖尿病の人は、ほとんどいないそうです」(同)

 前出のハーバード大学の研究では、女性や筋肉労働をしていない男性は、米飯摂取により糖尿病発症のリスクが上昇するという結果が得られたという。
 「白米は精白の過程で糖尿病の予防に働く食物繊維やマグネシウムが失われてしまう。身体活動量が高い人では米飯摂取が多くてもエネルギーの消費で摂取のバランスが保たれている。しかし、そうではない人は意識して日常の身体活動量を増やすとともに、雑穀を取り入れるなどして米飯摂取後の血糖上昇を抑えるような工夫も必要です」(同)

 最後に、参考までに田村氏が自らの食生活を語ってくれた。
 「私は白米ではなく、七分突きのご飯を少量食べるよう心掛けています。栄養面を考えれば、ご飯よりジャガイモを食べた方がいい。こういった食生活を心掛ければ、隠れメタボを心配することもないと思いますよ」

 体内から自分の身体のことを知ろう。