ランガーは今尚健在ということを存分に示したムービングデー(撮影:GettyImages)

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<マスターズ 3日目◇9日◇オーガスタナショナル・ゴルフクラブ(7,435ヤード・パー72)>
 リーダーボードに確かにその名前はあった。1985年、93年と2度の「マスターズ」優勝を誇る58歳のベルンハルト・ランガー(ドイツ)だ。強風と硬いグリーンのオーガスタを相手にこの日全選手中ベストとなる“70”で回り、トータル1アンダーの3位タイに浮上。最終日は最終組1つ前で松山英樹と同組で回ることとなった。
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 パトロン達も思わず最敬礼で出迎えた。最終18番はボギーとしたものの、シニアプレーヤーが圧巻の優勝争い。「この3日間はとても良いプレーができている。昨日はショットがすごく良かったのにパットが入らなかった。今日はショットの調子も続いて、パットもいくつか入って、賢くプレーできた。アグレッシブに賢くね。とにかく打ってはいけないところに打たないようにプレーした」。
 自分のゴルフを最後まで貫いた。この日はジェイソン・デイ(オーストラリア)と同組で回った。「素晴らしい若者で素晴らしい選手」もちろん飛距離やショットのキレで勝てるはずもない。だが、ランガーは“70”で回り、デイは“71”。「50、60ヤード置いて行かれるけれど(笑)でも、スコアカードにはそれは書かれないからね」。“This is ゴルフ”と言わんばかりだ。
 思えば今年はアンカリング禁止に伴い試行錯誤を強いられた。「私はほとんどのパターの種類を試してみた。長さも、グリップも。この3か月でたぶん20か30本の新しいパターが家に増えた」。だが最後は、長尺パターを使うスタイルを貫き通した。パターを変えることなくアンカーポイントを作らない打ち方に変えて、チャンピオンズツアーでも勝利をおさめた。もちろん今大会でも手には長尺パターが握られている。
 2009年のターンベリーで行われた「全英オープン」では、当時59歳のトム・ワトソン(米国)が最終日最終ホールまで首位を走って優勝争いを演じた。それよりも1歳若いランガーも3度目のグリーンジャケットを本気で狙っている。「私にはコースの知識がある。このコースは今日で113ラウンド目だと言われた。それに加えて練習ラウンドを80か90はしている。トータル200だ(笑)。明日は楽しんで、私のプロとして残り少ない時間を楽しみたい」。
 コースの知識と変わらぬスタイル。それは年を重ねれば重ねるほど、味わい深く強くなる。

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