たばこの値段は安すぎる?高すぎる?

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執筆:Mocosuku編集部
2015年世界保健機構(WHO)が、タバコの税率を少なくとも販売価格の75%相当にすることを提言しました。WHOが各国の税制に言及するのは異例とも言える事態ですが、いったいどんな意図があるのでしょうか?

タバコの健康被害を減らし税収を上げる策


WHOが昨年発表したタバコに関する報告書「The Global Tobacco Epidemic 2015」によれば、タバコが関係する病気で死亡する人は世界で年間600万人おり、これはエイズやマラリア、結核による死亡者の合計よりも多いそうです。

WHOは、タバコの税率を上げて小売価格を上げることが、タバコの需要を減らす最も効果的な手段だとしています。これは富裕層から貧困層までのさまざまな人々に対してタバコの健康被害を削減し、特に若年層に対して効果があるそうです。それだけでなく、タバコ税を上げることは税収を増やす効果も一石二鳥の施策だと主張しています。

75%以上が望ましいとするWHO


WHOの研究によれば、タバコの消費量を減らし、かつ税収を上げるために効果的な税率は、タバコ1箱の価格につき75%以上とのこと。すでにこれ以上の税率を実施している国もあり、イギリス、フランス、アイルランド、スペイン、ポルトガル、ノルウェーなどが該当します。

一方、日本のタバコの税率は60%以上で、日本たばこ産業株式会社(JT)によれば、1箱430円の製品で64.4%、約277円が税額です。決して低くはありませんが、WHOが推奨する税率と比べると10ポイントほど低い数値です。

1箱612円が適正価格!?


仮に、タバコの本体価格を変えずに税率を75%まで上げるとすると、1箱の価格は612円となり、現在より4割以上の値上げとなります。税率として非常に高いのはもちろん、税金の上げ方としてもかなり極端と言えます。

一方、国内では以前からタバコ税の増税が議論されています。一部には「1箱1,000円にすべき」という声も聞かれました。1,000円に比べれば612円でもまだ安い、という意見が出ることも十分考えられます。増税反対派としては、「健康被害が減って税収も上がる」と言われると反論するのが難しくなりそうですね。

現在は他の話題に押されてやや沈静化した観はありますが、再びタバコ税の増税に関して議論が沸くかもしれません。

<参考資料>
WHO report on the global tobacco epidemic, 2015
http://www.who.int/tobacco/global_report/2015/en/