自宅でカンタン「ぬか漬け」で、健康美人に!

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執筆:山本ともよ(管理栄養士)
味噌、醤油、納豆、漬物、鰹節など、日本食は発酵文化の宝庫ともいえます。
その中でも、意外に簡単に手作りできるのが「糠(ぬか)漬け」です。

「糟糠(そうこう)の妻」とは中国の「後漢書」に出てくる言葉で、「米のかすや糠を食べて貧しい時代を共にした妻」ということですが、中国でも米糠を無駄にしていなかったことがわかります。

こんなにある! 糠漬けの健康効果


糠漬けの発酵は植物性乳酸菌によるものです。これが小腸に届き腸内環境を良好にすることで便秘や下痢の予防や改善をしたり、免疫力を高めて風邪がひきにくくなるといった効果が報告されています。

米ぬかを使った化粧品が多数出ていることからもわかるように、美肌効果もあり、糠床を混ぜると手肌がしっとりうるおいます。
漬物の塩分が気になる場合は、塩分排出効果のあるカリウムが豊富な食品を採りましょう。わかめ、昆布、ひじきなど海藻系や、豆腐や納豆、鰹や鯵など赤身の魚、バナナやグレープフルーツなどがお勧めです。

糠床ってどうやって作るの?


米ぬか自体はとても安く、米穀店やスーパーで購入できます。
さまざまなレシピが紹介されていますが、基本は「糠に、塩を煮溶かして冷ましたものを入れる」「くず野菜を入れて乳酸菌を育てる」「昆布や唐辛子を入れて味を調える」ということです。
そんな手間をかけなくても「今日から野菜を漬け込めます」という熟成された糠床が、アンテナショップや通販で売られています。容器入りや、手でかき混ぜなくていいハンドル仕様の容器などもあるので、「糠味噌臭い女」になりたくない方も、すぐに「糠漬け美人」になれます。

お一人様なら密封袋でもOK


「たくさん作っても食べきれない」という場合は、密封のビニールバッグで糠床を作り、きゅうり1本、なす1本といった単位で作ることも可能です。冷蔵庫に入れて頃合をみて取り出せば、「糠床が傷む」「臭う」といった問題もありません。
「糠床を作るのに時間かかるの?」「おいしい糠床を作れるかな?」という方は、出来上がった糠床を分けていただくのが一番の早道です。

<執筆者プロフィール>
山本ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士、サプリメントアドバイザー、食生活アドバイザー
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中