シニアは見た目のいい人に気をつけよう(写真はイメージです)

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高齢者は、何度裏切られても見た目のいい人を信頼し続けるという研究を名古屋大学の鈴木敦命(あつのぶ)准教授(心理学)がまとめ、米老年学誌「ジャーナル・オブ・エントロジー」(電子版)の2016年3月30日号に発表した。

同じ実験をした若い世代に比べ、約2.5倍の割合で騙されやすいという結果が出た。

高齢者の半分が騙されたのに見た目がいいと「いい人」

実験は、65〜79歳の高齢者36人と19〜30歳の若者36人を対象に、コンピューター画面を使って次のような架空の「投資ゲーム」に取り組んでもらった。

(1)コンピューター画面に16人の「投資業者」の顔写真が現れ、次々に投資話を持ちかける。

(2)16人の投資業者は、見た目のいい「信頼できる顔」と見た目のよくない「信頼できない顔」の2タイプを用意。顔の良し悪しとは関係なく、16人のうち半数は投資したお金を必ず倍返しする「いい人」だが、残りは預けたお金を横領する「悪い人」だ。

(3)投資ゲームは4回行い、参加者は儲かったり、騙されたりを繰り返した。

続いて、投資ゲーム終了後に、ゲームに関する記憶力テストを行なった。16人の投資業者以外にゲームには登場しなかった8人を加え、改めて計24人の顔写真を見て、「いい人」「悪い人」「ゲームに登場しなかった人」を回答してもらった。

その結果、横領されたにもかかわらず「信頼できる顔」の人を「いい人」と答えた割合は、高齢者が49.3%にのぼった。半分近くが、騙されたのに見た目のいい人をまだ信頼しているわけだ。一方、若い人では20.6%にとどまった。全体的に、高齢者は顔の外見で「いい人」か「悪い人」かを評価する傾向が非常に強かったが、若い人にはこの傾向はみられなかった。

鈴木准教授は「記憶力の衰えもあるでしょうが、高齢者になればなるほど外見で人を判断しやすくなります。それが高齢者の詐欺被害を増やす要因の1つになっています」とコメントしている。