お酒を飲むなら、「ヘルシーおつまみ」でカラダにも美味しく

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執筆:田口絢子(管理栄養士)
お酒を飲む機会が多い人は、つい食べるものも気にしてしまいますよね。
そこで今日は、ヘルシーなおつまみをご紹介します。

これを読んで、宴席で「栄養が…」などと講釈をすると、場が白けてしまうかもしれませんので、あくまでもさりげなく。
メニューの選び方や量に気を配れると、よりお酒が美味しく飲めるかもしれません。

 外食を利用するときの共通ポイント


お店へ行って「飲みすぎないで」、というのも難しいかもしれませんが、アルコールは、エネルギーが高いわりに栄養素をほとんど含みません。
ビールばかり飲んでおつまみを食べない、という人も多いかもしれませんが、栄養素を過不足なくとれるものを選びましょう。おつまみであっても、基本は、主食、主菜、副菜の組み合わせが大切です。以下を目安としましょう。

副菜・・・野菜、海藻、きのこなどを使った料理     2〜3品
主菜・・・肉や魚介類などを使った料理         1〜2品
主食・・・締めのごはんもの              1品

 外食で押さえておきたいおつまみ「前菜〜主菜編」


ビールのエネルギーを考えて、カロリーは低めだけれど、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
エネルギーが低めな野菜料理例としては、野菜料理などのサイドメニューが有効です。

たとえば、以下のもの。

・野菜スティック
・オニオンスライス
・冷やしトマト
・枝豆
・季節野菜のマリネ
・海藻サラダ
・温野菜
・バーニャカウダ
・カプレーゼ
サラダのトッピングになっているものは、ベーコンやサラミより、鶏むね肉やささみ、豆腐などを使ったものを選んだ方が、脂質が控えられます。
また、ドレッシングは、タルタルソースやマヨネーズより、ノンオイルドレッシングや塩・こしょう・オリーブオイルを選ぶとさらにエネルギーが抑えられます。

魚介料理


・お刺身
・カルパッチョ
・生春巻き
・いかの網焼き
・海老や帆立のグリルなど
魚介類の料理でも、油不使用、または少量しか油を使っていないおつまみは、エネルギーが低く抑えられます。

肉料理


・冷しゃぶ
・ボイルウィンナー
・手羽先のオーブン焼き
・焼き鳥など
魚介料理と同様に、ゆでたり焼いてある料理を選ぶとエネルギーが低く抑えられるでしょう。

同じ素材でも、調理方法によってカロリーが変わることは、なんとなく把握している人も多いのではないでしょうか。肉料理ではどのくらい変わるのか、例をあげてご紹介しましょう。

●牛もも肉100g 209kcal
→ ゆでる 189kcal (料理例:牛しゃぶ、バンバンジー)
→ 網焼き 201kcal (料理例:牛肉の網焼き)
→ 煮る  205kcal (料理例:牛もも肉のトマト煮込み、豚肉の角煮)
→ 焼く  220kcal  (料理例:アスパラと人参の牛肉巻き)
→ 揚げる 339kcal (料理例:竜田揚げ)

また、味付けはタレより、塩、香辛料等で味付けしてある料理がオススメです。砂糖やみりんの使用量を抑えることで、エネルギーが抑えられます。香辛料がきいてスパイシーな料理はビールとの相性もいいですよね。

 外食で抑えておきたいおつまみ「主食編」

締めのごはんもの


・パエリア
・サラダピザ
・ビビンパなど

これら野菜が豊富で、肉や魚介類を多種類使った料理を選ぶとよいでしょう。
居酒屋は油料理が多く、酔ってくるとどれだけ食べたかわからなくなります。できるだけ野菜メニューを多くし、油料理や炭水化物ばかりのメニューに偏らないようにしましょう。

 アルコールの適量は…


社団法人アルコール健康医学協会では、一般的に、約1〜2単位のお酒を限度とするようにすすめています。個人差はありますが、このくらいの量であればほどよくお酒を楽しめる、というわけです。

●アルコール1単位の例
ビール 大ジョッキ     1杯
生グレープフルーツサワー  2杯

それでもついつい飲みすぎてしまうという人は会話を楽しみながらスピードを落として飲むことも大切なポイントですよ。


<執筆者プロフィール>
田口絢子(たぐち・あやこ)
茨城県生まれ。管理栄養士、糖尿病療養指導士、ソーシャルスキル協会認定健康栄養カウンセラー。都内4か所の病院で給食・栄養管理経験を経て独立。栄養相談、献立作成、食と健康に関する記事の執筆、栄養学翻訳などを行っています。