妊活中のサプリメント 何に気をつければいい?

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執筆:Mocosuku編集部


特定の栄養素を手軽に摂取できるサプリメントは、妊活中の人にとっても心強いアイテム。
とはいえ、とにかく飲めばいいというわけではありません。場合によっては、飲みすぎるとかえって悪影響が出ることも。

そこで今回は、サプリメントを活用するうえで知っておきたい知識をご紹介します。

妊活中に必須の「葉酸」について


妊活中は「葉酸」を摂る、というのは常識化しつつあります。
なぜ葉酸が必要かというと、妊娠初期にこの栄養素が不足すると胎児の奇形を引き起こす可能性があるからです。ただし、「自分が妊娠初期である」というのは気づきにくいので、いつ赤ちゃんができてもいいよう妊娠確定前から飲みましょう、と言われているわけです。

注意したいのは、葉酸の摂取量には上限があること。
一般的には「20代の人で1日あたり900μg、30代以降なら1000μg」とされています。サプリメントで摂るのは「1日400μg」が目安です。葉酸は食事からもある程度摂れるので、サプリメントではそのくらいに抑えておかないと、過剰摂取になるのです。

葉酸の摂り過ぎは「葉酸過敏症」を招く


葉酸は水溶性のビタミンなので、摂り過ぎたとしてもそれほど心配はありません。
しかし、極端な過剰摂取になると、発熱、呼吸障害、じんましんなどの症状が現れることがあります。

容量・用法を守って摂っていればそうなる可能性はまずありませんが、サプリメントは手軽なぶん摂りすぎる可能性もゼロではないので、注意書きをよく読んで、正しく摂取しましょう。

ビタミンAは種類と摂る量に用心


過剰摂取という点では「ビタミンA」も要注意。ビタミンAは、妊娠初期に気づかないまま摂りすぎると胎児の奇形を招く可能性があるからです。

また、ビタミンAは葉酸と違って油溶性なので、身体に蓄積されやすいということも覚えておく必要があります。

この時注意したいのが、ビタミンAには動物性と植物性の2種類あるということ。
植物性のビタミンAである「βカロテン」は大量に摂ったとしても問題ないとされています。問題になりやすいのは動物性の「レチノール」のほうです。

マルチビタミンやビタミンAのサプリメントを飲んでいる人は、パッケージで「βカロテン」と書いてあるのか、「ビタミンA」と書いてあるのかを確認しましょう。単にビタミンAと表記されている場合はそれがレチノールなのかβカロテンなのかがはっきりしないので、用心したほうがいいかもしれません。

妊娠の可能性がある時は中止すべきサプリ


「αリポ酸」と「コエンザイムQ10」は、妊活に有効という説もあります。しかし、安全を期すなら「妊娠したかも?」と思ったら、その時点でやめましょう。

なぜかというと、「妊娠中にこれら2つの成分を摂っているとどうなるか」について具体的なデータがないからです。「おそらく害はない」というのが現在の見解のようですが、保証するデータがない以上、安全だと断言はできません。念には念を入れてやめておいたほうがいい、というわけですね。

受け身の姿勢で「ただ飲む」だけではダメ


サプリメントは確かに手軽ですが、「なんとなく」飲んでいるだけではいけません。

摂りたい栄養素の1日の上限量はどれくらいか、自分が飲んでいるサプリメントにはどれくらいの含有量があるか、飲み合わせは大丈夫かなど、しっかり把握して服用しましょう。


<参考>
●e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html