同じく4人昇格だった大宮アルディージャユースも大塚真司監督の下でチームを刷新。ジュニアユース年代からバルセロナ型のシステムを叩き込まれた世代だが、トップチームに合わせて[4−4−2]を新規採用。「一つのやり方しかできない選手にすると、先がなくなる」(大塚監督)という信念に基づく変更であると同時に、長谷川元希と山田陸という二人の絶対的なセントラルMFを生かすためのシステムでもある。

 そして元祖オレンジ軍団・清水ユースも忘れてはいけないだろう。189センチの大型CB立田悠悟、守備のマルチロールDF梅村豪という二人の年代別代表経験者を擁し、攻撃では打開力のあるMF望月陸がキーマンとなる。中学生ながら登録されたU−16日本代表候補のFW川本梨誉も注目だ。さらに第3のオレンジ軍団として、アルビレックス新潟U−18が今季からプレミア初参戦。参入を決めた昨季のレギュラー陣の多くが卒業してしまっただけに、U−19日本代表の右サイドバック長谷川巧ら経験を持つ選手たちの出来と、小さな体に大量の技巧を詰め込んだ1年生MF本間至恩のブレイクにも期待がかかる。

 そして最後になってしまったが、大本命はこのチームかもしれない。新潟と同じ昇格組の横浜F・マリノスユースはハイレベルなチームに仕上がった。負傷者が出ているのはやや気になるものの、足元も巧みな長身GK原田岳、守備の柱と期待されるDF板倉洸、ボールを狩れるMF佐多秀哉、得点源と見込まれるFW渡辺力樹と縦のラインに好選手を抱える。複数の年代別代表がベンチを温めるほどの選手層を含めて、昇格組ながら優勝候補と言っていいだろう。

文・写真=川端暁彦