「PC-98」が高値で取引! 今、売り時の旧型パソコンはどれ?
 Windows95が20年以上前に登場して以来、Windows搭載機はパソコン界の主役の座をキープしている。しかし今、Windows95が登場する以前の旧型パソコン、とりわけPC-98シリーズに注目が集まり、依然として高値で取引きされている。

 本来ならパソコン本体は古くなれば値下がりするものだが、なぜいま値上がりしているのか? その背景に加え、いま売るならどの機種がアツいか、PC-98シリーズを中心に他の旧モデルの動向もご紹介しよう。

◆企業からのニーズが依然として高いPC-98シリーズ

 PC-98シリーズは、Windows95が登場してPC/AT機が普及する以前に圧倒的なシェアを誇っていたパソコンだ。PC-9801やPC-9821シリーズといえばピンとくる人も多いだろう。当時は、現在と違ってパソコンが非常に高価なものであったにも関わらず、高いグラフィック性能と安定性、そして素早い起動性能などで高い人気を誇っていたシリーズでもある。

 このPC-98は、一般家庭にパソコンを普及させたという功績を持つシリーズでもあるが、当時としては高い性能を誇っていたため、企業の所有が多く、受注や発注管理はもちろん生産ラインの制御といった分野での導入が目立ったシリーズでもあったのだ。

 生産ラインやシステムの構築には、当然だが多額の資金が必要となる。そのため、PC-98シリーズで構築したシステムを現在のパソコンで組み直すと莫大な資金が必要なることも珍しくない。資金が乏しく、融資も受けにくい中小企業の場合、新たにシステムを組み直すよりも当時のPC-98シリーズを使い続けるほうが圧倒的にコストを削減できるのだ。これが現在でもPC-98シリーズが高値で取引されるワケだ。

 たとえパソコンが破損したとしても、PC-98の場合は、パーツを入れ替えるだけで復旧できるケースが多い。そのため、必ずしも完動品だけにニーズがあるわけでなく、パーツ単体も高値で取引が行われているのだ。企業の中には、万が一の破損に備え、パーツ取り用として何台もPC-98シリーズをストックしているケースさえあるのだ。

 もし、押し入れの中に使っていないPC-98シリーズが眠っていたとしても「動かないから……」といって廃品回収などに出すことなかれ。製造終了に伴って、いまやお宝と化したパーツが搭載されているため、高値で取引される可能性が非常に高いのだ。

 傾向としては、潤沢な資金をもとに中小企業が設備投資を行っていたバブル期のモデルが高値で取引されているケースが多く、その他は初期モデルやWindows95が発売される直前にリリースされた高性能なPC-9821シリーズが高値となっている。

 なお、Windowsが搭載されるPC/ATの発展形PC97/98規格を採用したPC98-NXシリーズなどは、一部機種を除いて需要が少ないため価格は一気に下がる傾向にある。

⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=89794

◆その他モデルはコレクターが人気を支える

 PC-98シリーズ以外にも高値で取引されているパソコンは多々ある。MSXをはじめ、シャープの「X68000」や富士通の「FM TOWNS」、「FM-8」など、主に1980年代から1990年代に活躍したパソコンたちだ。

 これらの機器は、企業ユースというよりは、当時を懐かしむユーザーのコレクションとして扱われるケースがほとんど。不朽の名作といわれるゲームを数多く輩出しているため、再びプレイしたいというユーザーのニーズも高い。これらの機器も数万円で取引されているケースも多く、PC-98シリーズと同様に“まだまだアツい”カテゴリといえるだろう。

⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=89796

 いまや、パソコンは処分するにも多額の費用が掛かる時代。古いパソコンだからと言って処分するのはもったいない。たとえ動かなくても、破損していたとしても高額で売却できるケースも珍しくないので一度チェックしてみてはいかがだろうか?
<文・写真/古作光徳>

【古作光徳】
パソコン関連誌の編集部を経て、2006年にライターとして独立。主にパソコンやスマホ、家電関連誌などを中心に活動中。近年は車やバイク、将棋など、趣味関連誌の執筆や編集にも携わっている。