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ACCESSは4月7日、京都大学原田研究室(代表者:京都大学大学院工学部 原田博司教授)と共同で、同研究室のWi-SUN(Wireless Smart Utility Network)研究における知見と同社のIoT技術及びSDNネットワーク仮想化技術を持ち寄り、SDNを用いたWi-SUN機能搭載のIoT通信ネットワークの仮想化ソリューションを開発したと発表した。なお、同ソリューションは世界初だという。

Wi-SUNはIoTデバイス・ネットワークの通信プロトコルの1つであり、電池駆動型のメーター・センサー・モニターでも利用可能な低消費電力、最大約1kmという長距離無線通信(920MHz帯電波)を特徴とする、日本発の世界標準規格だという。Wi-SUNは省電力性と雑音に強い通信特性により、電気・ガス・水道のスマートメーターへの採用が進んでいる。

また、長距離無線通信という特性に着眼した温湿度・降雨量センサーや災害地の環境・橋梁といった建造物の状態を検知するモニターなどへの応用も広がっている。これらのWi-SUN端末を橋やビルなど広域に設置し、M2Mネットワークを構築することで物流や災害時の通信などIoT分野でのサービスの活用も期待されている。

両者は、Wi-SUNの特性および日本における普及状況に着眼し、IoT技術とSDNネットワーク仮想化技術を統合することで、Wi-SUN機能を搭載する多彩なセンサ・メーター・モニターといったIoT機器のための通信ネットワークを仮想化するソリューションを共同開発した。

同ソリューションは、運用が容易なネットワーク構成、CAPEX(設備投資)の削減、OPEX(運用コスト)の削減、セキュアな通信環境といった特徴を持つ。インフラ事業者はサービス追加ごとに物理的なネットワーク設定の変更を行う必要が無く、SDNにより遠隔からネットワーク構成をソフトウェアでオンデマンド制御することが可能。

さらに、SDN仮想化技術により1つのゲートウェイを介して仮想ネットワークを提供するため、新規のIoTサービスごとに通信インフラをその都度、構築する必要がなくCAPEXの削減ができる。加えて、物理的なIoTデバイス・ネットワーク・インフラ上で複数のIoTサービスに必要な仮想ネットワークの追加・構成設定・構成変更・削除を集中管理できるため、OPEXの削減を可能としている。

そのほか、セキュアな通信環境についてはゲートウェイから外部への通信を暗号化するため、収容している各種サービスはそれぞれ独立したセキュアな通信が可能だという。

今後も、両者は産学連携プロジェクトとして技術協力を進め、同ソリューションの事業化に取り組む。

ACCESSは4月7日から、同ソリューションの評価用プロトタイプを電力・ガス事業者や通信事業者、ケーブルテレビ事業者、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)など、すでに広域にインフラを有し、各種IoTサービス・トラフィックを収容したい企業に加え、既存通信インフラをIoTサービスに向けて利活用したいIoTサービス事業者事業者を対象に提供開始している。

(山本善之介)