中国は「走出去」と呼ばれる海外への進出、投資戦略を実行中だ。中国が積極的に展開している高速鉄道の輸出は走出去のうちの1つだが、タイの高速鉄道計画が規模縮小となったほか、メキシコでは中国が受注した後に計画撤回となるなど、決して順風満帆とは言えない状況だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国は「走出去」と呼ばれる海外への進出、投資戦略を実行中だ。中国が積極的に展開している高速鉄道の輸出は走出去のうちの1つだが、タイの高速鉄道計画が規模縮小となったほか、メキシコでは中国が受注した後に計画撤回となるなど、決して順風満帆とは言えない状況だ。

 中国を中心とした巨大な経済圏を構築するため、一帯一路戦略を推し進める中国にとって、高速鉄道の輸出は非常に重要な国家戦略だ。だが、この国家戦略を成功させるためには、非常に多くの困難を克服する必要があるだろう。

 中国メディアの三門峡生生活網はこのほど、中国は米国のように軍事力を活用すれば、高速鉄道の輸出を効果的に推し進めることができると論じた。記事は、中国の高速鉄道輸出において待ち受ける困難の1つに米国の存在があると説明。中国が東南アジア諸国に高速鉄道を輸出しようとするとき、東南アジア諸国は米国の顔色を見ることになるとし、その結果、中国を支持することを避ける国が存在すると主張。タイが高速鉄道計画を大幅に縮小し、中国の資金を使わずに建設すると発表したことも米国との関係によって影響が生じたと論じた。

 東南アジア諸国にとって、文化的また地理的な要素から言えば米国を支持する理由はないはずであり、さらに中国は東南アジア諸国を発展させる経済力を有してもいると記事は説明。ではなぜ東南アジア諸国は中国ではなく米国を支持しようとするのだろうか。記事は、「軍事力を活用する米国と、軍事力を活用していない中国という違いにつきる」と主張している。

 続けて、軍事力は国家戦略を推し進めるための最も強力な保障であり、実際米国は軍事力を活用して覇権を手に入れたと主張している。軍事力をちらつかせ、強引に高速鉄道の輸出を推進すべきとも取れる記事の主張は、非常に危ういものだ。しかも、中国は「軍事力を活用していない」としているが、南シナ海における行動は軍事力を活用していると指摘されても反論の余地がないものであり、こうした行動に危機感を感じれば中国を支持してくれる国も減っていく一方ではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)