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 4月4日、東京証券取引所は、2015年に創設したインフラファンド市場にタカラレーベン傘下の「タカラレーベン・インフラ投資法人(9281)」が上場することを承認したと発表した。インフラファンド市場の上場第1号となる。予定日は6月2日。ブック・ビルディング期間は2016年5月16日(月)〜5月20日(金)。「タカラレーベン・インフラ投資法人」は太陽光発電の設備に投資する。

◆昨年創設されたインフラファンド市場

 2015年4月30日、東京証券取引所では、太陽光発電施設などのインフラ施設を投資対象とするインフラファンド市場を創設した。インフラファンド市場の創設は、インフラ整備の社会的意義やインフラに対する投資ニーズの高まりにこたえたものであった。政府・自治体の財政状況の制約や、インフラの維持・更新及び新規投資の必要性を背景として、政府・自治体による公共投資などに代わり、インフラの整備や運営について、民間資金やそのノウハウのより一層の活用が求められていた。また、経済動向等の影響を受けにくい安定的なアセットクラスへの投資として、資産運用の多様化の観点などから、インフラへの投資に対する投資者からの関心は高まりつつあった。

 インフラファンド市場では、太陽光発電施設や港湾施設といったインフラを投資対象とする投資法人又は投資信託が上場対象となる。インフラファンドの仕組みは、多くの投資者から資金を集め、インフラを保有し、そこから生じる収益等を投資者に分配するもので、基本的には不動産投資信託(REIT)と近い構造のものである。

◆上場第一号がなかなか出なかった理由

 昨年創設されて注目を集めていたインフラファンドだったが、2015年度にインフラファンド市場に上場したファンドはゼロであった。ゼロには理由がある。太陽光発電施設の税法上の耐用年数は17年とされるが、インフラファンドでは、太陽光発電施設など再生エネルギー施設が非課税対象に加えられたものの、資金の5割超を再生エネルギー施設に投資する場合の非課税扱いの適用期間は10年に限定されていた。したがって、インフラファンド市場にインフラファンドを上場しても、非課税扱いが10年で終了し、その後は課税対象になるため、収益が悪化し、長期安定配当が困難になることが予想されたのである。

◆税制改正でインフラファンド上場第1号が実現

 上記の税制の不備は是正された。2015年12月16日、自由民主党・公明党両党による平成28度税制改正大綱が公表され、投資法人の課税の特例 についての改正が示された。「特定の資産の割合が総資産の 50%を超えていることとする要件について、特定の資産の範囲に再生可能エネルギー発電設備を含めることができる期間を、再生可能エネルギー発電設備を最初に賃貸の用に供した日から 20年(現行:10年)以内に終了する各事業年度とする」旨が盛り込まれた。 こうして、インフラファンド市場へのインフラファンド上場の環境が整い、「タカラレーベン・インフラ投資法人」の上場申請・承認へと繋がった。4月1日以降に上場すれば、法人税の非課税期間が10年から20年に拡大するため、「タカラレーベン・インフラ投資法人」は、今年4月まで上場を延期してきたという言い方もできよう。

◆タカラレーベン・インフラ投資法人とは?

「タカラレーベン・インフラ投資法人」は、不動産会社のタカラレーベンが子会社のタカラアセットマネジメントを通じて運用するインフラ投信法人である。自然エネルギーを活用した事業の更なる発展及び拡大を目的とし、メガソーラーによる発電施設を中心に投資を行う投資法人として、2015年8月5日に設立された。タカラレーベンは、2013年からメガソーラー事業に参入し、2019年3月期の目標として、発電出力130MWまでの成長を公表している。「タカラレーベン・インフラ投資法人」のインフラファンド市場への上場に際して、調達金額は最大で47億4240万円とされる。