理化学研究所(理研)の研究グループは2016年4月2日、マウスのiPS細胞(人工多能性細胞)から、毛を生み出す「毛包」を含む皮膚組織の再生に成功したと発表した。研究論文は米科学誌「サイエンス・アドバンシズ」電子版(4月1日付=日本時間2日付)に掲載された。

皮膚は毛包のほか、皮脂・汗を分泌する「皮脂腺」「汗腺」などを含んだ複雑な構造をしており、これまで皮膚組織全体の再生は実現していなかった。

発表資料によると研究グループは、マウスの歯肉からつくったiPS細胞を1週間培養してさまざまな皮膚組織のもととなる塊を作り出した。これをマウスに移植したところ、天然の皮膚と同じように機能する皮膚が再生された。さらに、この再生された皮膚を別のマウスに移植しても、同様に機能する皮膚がつくられた。

研究成果をもとに、今後はヒトへの応用も期待されている。やけどした皮膚の完全な再生に加え、生まれつき毛が少ない「乏毛症」、抜け毛が増える一方で毛が生えてこなくなる「脱毛症」の治療法の開発にもつながる可能性がある。