今夏のリオデジャネイロ五輪(8月5日開幕)まで約4カ月となった。同五輪に出場する7人制ラグビーの男子日本代表はその"試金石"として、香港セブンズのワールドシリーズ(WS)コアチーム昇格大会(4月8〜10日)に出場する。目標はもちろん、1位となって、WSコアチームへの復帰である。

 リオ五輪でメダル獲得を狙う日本男子にとって、この昇格大会がチームの成長具合を計る場となる。「セブンズもオリンピックで活躍して、新しい歴史を創るという使命感を持って戦っていきたい」と、瀬川智広ヘッドコーチ(HC)は話す。

「目指すラグビーは、人とボールがハイテンポに動き続けるラグビーです。組織全体で"走り勝つ"ラグビーを究めていきたい」

 一昨年、この香港の昇格大会でWSのコアチーム入りを決めた後、日本男子は1シーズンでコアチームから降格した。リオ五輪に向けて、強豪との実戦機会をより多く確保するためには、再び昇格大会を制し、シリーズ全戦に出場できるコアチームとなり、WSの戦いの場に戻っておきたいところだ。さらに昇格大会で勝つことが、チームの今後に弾みをつけることにもなる。

 リオ五輪のメダルを考えると、強化のポイントは「ディフェンス」と「ボールを戦術的に動かすラグビー」の向上だろう。日本男子は1月下旬から、WSのニュージランド大会、オーストラリア大会、アメリカ大会に招待チームとして出場して、強豪相手の実戦の中でディフェンス力を上げてきた。前に出るシステムはそう変わらないが、メンバー間のコミュニケーション、個々の判断力が高まってきたようだ。

 日本男子はアメリカ・ラスベガスで開催された米国大会(3月4〜6日)で、スコットランド、ケニアを下し、6位相当となった。大健闘といってよい。WSでの6位相当は、2000年ジャパンセブンズでの5位相当に次ぐ成績だった。エディー・ジョーンズHCが率いた日本代表で、分析担当だった中島正太アナリストが帯同していることもあって、ブレイクダウンなどの整備が進み、これまでの弱点だったターンオーバー(ボール奪回)からの失点が減少傾向にある。

 昇格大会のメンバーには、経験値の高い桑水流(くわずる)裕策主将(コカ・コーラ)や快足ウイングの松井千士(同大)、米国大会で活躍した彦坂匡克(トヨタ自動車)、15人制のW杯イングランド大会に出場した福岡堅樹(パナソニック)らが並ぶ。合谷和広(クボタ)ら若手の成長もあり、五輪メンバー入りに向けたポジション争いもし烈さを増しそうだ。

 昇格大会には12チームが参加。男子日本はプール戦で、リオ五輪に出場する開催国のブラジルと初戦を戦い、モロッコ、トンガと対戦する。各プールの上位2チームと3位の上位2チームの計8チームが準々決勝に進み、トーナメント戦を戦う。他のプールから勝ち上がってきそうなチームは、地元香港ほか、スペイン、ジンバブエあたりか。

 女子は、リオ五輪で金メダルを目指す日本代表『サクラセブンズ』がWSのアメリカ大会(8、9日・アトランタ)に出場しているため、香港女子セブンズ(7、8日)には日本選抜が出場する。

 サクラセブンズ入りのボーダーライン上にいる福島わさな(追手門学院大)ほか、竹内亜弥(アルカス熊谷)、末結希(アルカス熊谷)の代表経験者も参加し、持ち味をアピールすることになる。17歳の中山潮音(宮崎・宮崎北高)、18歳の堤ほの花、永井彩乃、立山由香里(3人とも日体大)ら若手もどんなプレーを見せるか、楽しみである。

 日本選抜はプールBに入り、スリランカ、タイ、アルゼンチンに続き、地元香港と対戦する。プールAにはフランスほか、南アフリカ、カザフスタン、中国、ケニアが参加。華麗かつ、力強いプレーで4月の香港を彩る。

松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu