連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第1週「常子、父と約束する」第2話 4月5日(火)放送より。 
脚本:西田征史 演出:大原拓


いかにもがいっぱい


1話の視聴率が22.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と高かった「とと姉ちゃん」。要因は評判の良かった「あさが来た」の余熱だろうから、勝負はこれからだ。
みかん、もみじ狩り、ラサール石井と「あさが来た」を思わせるアイテム、キーワードや俳優が盛り込んであった1話に続き、2話も、末っ娘の美子(川上凛子)が余計なことを言うと両手で口を塞ぐかわいい仕草が、これまた「あさが来た」を思わせた。
で、ラサール石井だ。善人ばかりの「あさが来た」で、ヒロインを刺すという稀代の悪(大げさか)を演じた俳優が「とと姉ちゃん」でも、いかにもいけすかない金満家っぽさをぷんぷん発して熱演。芸者遊びのシーンのいかにもさも見事だった。
ラサール演じる大迫専務は、とと(西島秀俊)に引っ越しを手伝わせることによって、小橋家の3つの家訓のひとつ「月に一度、家族皆でお出掛けすること」をはじめて破らせてしまう。引っ越しのあと、小橋家にやってきた彼は、酔ってへんな絵を押し付けて帰るが、それはたいそう値打ちがあるピカッツァのもので、翌日酔いが醒めた大迫は返してほしいと頼む。だが、その絵に美子が落書きしてしまっていた。
とと、ピンチ! という流れが2話。

ラサールをはじめ、「とと姉ちゃん」は「いかにも」なキャラが目白押しだ。
誠実なお父さん・ととの、前髪パッツンに眼鏡。
上にへつらい下にいばる社長(田山涼成)の、はげ。 
金持ちの大迫専務の、大きなひげ。
末っ娘・美子の、おかっぱ。
常子(内田未来)の小学校でバケツをもって立たされてる男の子たちの、いがぐり頭。
極めつけは、定職につかずふらふらしている叔父さん・鉄郎(向井理)の、寅さんふう。
西島、ラサール、田山のハマり具合と比べると、向井は苦労してるようだが、とにかくみんな、絵に描きやすそう。逆に言えば、すごくわかりやすいキャラ造型で、日本中の老若男女に浸透しやすいことだろう。このわかりやすさは、吉と出るか凶と出るか。
ベッタベタな展開の2話の中で、ひとつだけ、ちょっと洒落てんなあと思ったのは、鉄郎が、ピカッツァの名を「ヒカリ」と聞いて、誰それ? と思いながら、絵がかかっているはずの壁を見ると、日めくりしかないところ。その時、絵のあったはずの壁に当たっているきれいな外光(ヒカリ)が絵よりもすてきだった。鉄郎には「ヒカリ・・・だね・・・」と言ってほしかった。

常子のモデルである大橋鎭子の母親は美大出らしいが、常子のかか・君子(木村多江)は違うのだろうか。材木問屋の娘としかガイド本には書いてなかった。美大出だったら、ピカッツァのことをわかりそうだものなあ。小橋家がそれほど裕福ではなくても機能的かつ美的に整えられているのは君子の芸術的な教養とセンスなのかと思わせてしまうような美術の力の入れ方と、登場人物たちの教養不足による事件をおもしろおかしく描こうとする脚本が、やや足並みそろってない印象だ。
こういう時、「ん〜 どうしたもんじゃろのぉ」を使えばいいのか。

今日から心がけたい、すてきな生活描写


靴を脱いだらちゃんとはく側にむける。
ぞうきんがけの手つきがちゃんとしてる。
(木俣冬)