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富士通は4月5日、館林データセンター(群馬県館林市)に新棟となるC棟を開設し、稼働を開始した。

館林データセンターでは、1995年にA棟を開設し、以来20年にわたって運用し続けている。2009年には同データセンター内で2つ目となるB棟を増設し、今回は3つ目の棟となる。

同社の代表取締役社長である田中達也氏は、今回の新棟開設にあたって、次のようにコメントした。

「この新棟のオープンによって、館林データセンターはさまざまなお客さまのビジネスを、より高度に支えることが可能となる。同時に、富士通のデータセンターネットワークの中核として、当社のデジタルサービスを支える基盤の役割を果たすことにもなる。また、データセンターはビジネスはもちろんのこと、社会におけるあらゆる活動を支える基盤となっている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、富士通はデータセンターのゴールドパートナーとして大会の成功を支えていくが、そこでも当社の高い技術力と豊富な運用経験を遺憾なく発揮していきたい」

C棟は、延床面積が3万9000m2、4000ラックが収容可能な免震構造の施設となっている。A棟開設から20年の間で、「データセンターに求められる要件は変化している」と田中氏は言う。

1995年には阪神淡路大震災が起こり、災害に強いデータセンターが求められてきた。また、CO2削減に対する需要や個人情報保護法・マイナンバー制度に代表されるセキュリティの強化なども必要な要件として挙げられる。

C棟では、これまでの同社の知見をもとに、3つの点に注力しているという。

1つ目は、環境性能の向上だ。C棟では、空調設備や運用環境、ICT機器環境の最適化を図り、外気利用時間を従来の年間約3250時間から約7000時間(1年の80%)に拡大するとともに、空気の自然対流を最大限活用する新たな建築構造と空調方式を開発し、空調などの設備に使用する電力を約60%削減しているという。電力効率の指標であるPUEは、国内最高水準の1.20(設計値)。

2つ目のポイントは、ハイブリッドクラウドニーズへの対応である。全国の富士通データセンター間や富士通クラウドサービスに加え、他社クラウドとも接続可能な閉域ネットワークが標準装備されている。

3つ目は、顧客のビジネス継続性だ。C棟では、顧客ニーズにあわせて異なる3タイプのサーバ室が用意されている。ティア3相当の標準的な「スタンダード室」、新空調方式を採用し、高集積・高電源容量に対応したクラウド専用の「クラウド室」、金融分野の顧客向けに、FISC安全対策基準に準拠した「FISC対応室」である。FISC対応室では、UPS(無停電電源装置)を二重化し、ティア4レベルの配電システムが採用されている。

ビジネス継続性において重要となるセキュリティ対策については、「B棟で用いた生体認証・電子錠を一段と拡張させて、物理セキュリティを強化している。これにより、不正進入や間違った操作を防ぐ。またサイバー攻撃についても、セキュリティオペレーションセンターが常時監視することによって、不正アクセスやマルウェアの監視を行う。さらに、データセンターのシステムに対して脆弱性の診断を行うことによって未然にサイバー攻撃を防ぐ。これらの対策によって、『外部からの脅威に強いデータセンター=止まらないデータセンター』を実現する」と、同社の執行役員 小林俊範氏は説明した。

今後C棟では、顧客の需要に応じて、スタンダード室とクラウド室の比率を検討していくとしている。小林氏は「東京オリンピック・パラリンピックの前後にはC棟全部が埋められるようにしていきたい」と語った。

(石原由起)