第48味●インド
モディ政権誕生から1年半。経済成長率は中国と逆転!さらなる改革のカギを握る新税制「GST」とは?

現状の複雑な税制度を
簡素化し、海外資本の
流入を狙うが…
2月上旬、インド中央統計庁が2015年の実質GDP(国内総生産)成長率が前年比で7・5%になる見込みだと発表しました。原油安で輸入が減少し、物価上昇も落ち着いて消費が堅調だったことが寄与した格好ですが、発表当初は中国の成長率(6・9%)を上回ったことでちょっとした話題になりました。
中国側も意識しているのか、人民日報傘下の『環球時報』という媒体に、インドのGDPは操作されているといった内容の論説が掲載されたりしました。中国側の反応については、爐前が言うなよ〞的なツッコミ要素もあり、これ以上の深掘りはしませんが、ちょうど1年前にインドがGDPの計算方法を変更した経緯があることや、原油安という環境に助けられた面も強く、インドのモディ首相の経済政策が功を奏したのかどうか微妙なのは確かです。
インドでモディ政権が誕生してから1年半以上たちましたが、同政権の経済政策を一言で説明すると、「ビジネス環境の改善」です。ビジネス環境については世界銀行が10項目を評価してランキングを公表していますが、最新の調査ではインドは130位。これを50位以内に引き上げることを目標にしています。
そこで、ランクアップのための目玉となる政策が、「GST(物品サービス税)」。この新税制がどうビジネス環境の改善につながるのかというと、現在のインドでは間接税の仕組みがとても複雑という問題を抱えています。
対象範囲や税率が細かく分かれているほか、同じ州内と州をまたぐ場合で税率が異なるなど、国内外からの批判が多いものになっています。そのため、ルールを簡素化して、海外からインドへの事業進出を促進しようというのが狙いです。
当初、モディ政権は2016年4月からの導入を目指していましたが、昨年末の国会で法案は成立せず、先送りになりました。GST導入で、税収が増える州と減少する州が出てくるため、調整が難航しているのが理由です。
すでに5年以上も議論している案件ですし、爐気垢にもうそろそろ〞というムードもあります。導入がさらに遅れると、インドに対する失望が強まる可能性もあり、モディ首相の改革のカギを握っているポイントといえます。

楽天証券経済研究所
シニアマーケットアナリスト
土信田雅之
新光証券などを経て、2011
年10月より現職。ネット証
券随一の中国マニアでテク
ニカルアナリスト。歴史も大
好きで、お城巡りと古地図
収集が趣味。