SOURCE1●財政官
消費税再増税の再延期で
上がる株・下がる株が!

2月の衆議院予算委員会。昨年から続く個人消費低迷についての与野党の論戦で「大きな原因は消費税の引き上げです。何と言っても8%だから」。
野党の攻撃ではなく、発言の主は安倍晋三首相その人だった。首相は続けて「消費税の引き上げで後退してしまった購買意欲の戻りが悪い」とも指摘し、増税の副作用の大きさをあっさりと認めた。来春予定の消費税再増税の延期に向けて、首相が舵を切ったのだ。
首相が答弁に立つ前、政府高官も増税について「経済環境が適切ではない」と否定的な見解を示している。来春の増税見直しについて、首相周辺での統一見解が出来上がっていたことがうかがえる。
2月下旬に中国・上海で開催されたG20(主要20カ国財務相・中央銀行総裁会議)では、金融市場の混乱を回避するため「全政策を動員する」との方針が確認された。つまり、財政政策発動である。
中国の景気底割れや欧州のデフレ、米国の成長鈍化など世界経済の不安要因は多い。こうした状況を乗り切るため、先のG20では、通貨切り下げ競争の封印と財政政策による景気テコ入れを進めることで主要20カ国が意見の一致をみた。
当然、日本だけが増税するわけにはいかない。従来、巨額の財政赤字を抱える日本にとって増税は国際公約だったが、G20の合意で増税見送りの大義名分ができたことになる。
日本でも海外でも、「株価は半年先を読む」と言われる。増税が予定通り実施されるなら、日本株は来年4月以降の消費不況再来を今夏ごろから織り込んで下げていく可能性が高い。投資家はその前に売ろうとするので当然、株価は頭打ちになる。
しかし、増税延期が決まれば、こうした先回り売りは引っ込み、需給は改善する。相場に先高期待が戻れば、ソフトバンクやファーストリテイリング、ファナックなど日経平均の高寄与度銘柄が買われそうだ。
また、増税後の需要急減が懸念されていた住宅業界も息を吹き返すだろう。マンション建設最大手の長谷工コーポレーション、一戸建て大手の積水ハウスや住友林業が大型株の本命。建材商社のジューテックホールディングスや構造計画研究所のような建築コンサルティング会社も来年度以降の受注増への期待が株価を押し上げそうだ。
一方、格安中華のハイデイ日高や丸亀製麺のトリドール、100円ショップ大手のキャンドゥといった「デフレ恩恵銘柄」はしばらく休養となるだろう。