ガルパン舞台の旧上岡小がコスプレ禁止に 「聖地巡礼」のマナーを考える

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アニメ『ガールズ&パンツァー』のテレビ本放送時から大洗の取材記事を掲載していたガルパニスト、そして茨城県民のひとりとして、ちょっと気になるツイートを見かけました。

投稿主は、アニメやゲームなどのサブカルチャーで地域活性化を目指すサークル『Project Sora』の公式アカウント。

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▼4月3日投稿(@info_ps2012

【緊急かつ重大なお知らせ】
当団体が関わり始めた、大子町ですが、協力者の方よりお願いという事で、重大な話をさせていただきます。
旧上岡小学校においてのコスプレとその撮影に関しては、ご遠慮という表現ですが、実質的に禁止になりました(続)。
https://twitter.com/info_ps2012/status/716538402812796928

【緊急かつ重大なお知らせ】
その理由として、
無許可コスプレ
男性による女装コスプレ
商売目的と思われる撮影行為
撮影時のパンチラ行為等のマナー違反
との行為があり、保存会で話し合いの結果、他の方も来られるという事で、
残念ながらこういう結果になりました(続)。
https://twitter.com/info_ps2012/status/716538780212002816

【緊急かつ重大なお知らせ】
また、うさぎ小屋にきゅうりのゴミの放置がされていたという話もありました。ゴミは持ち帰るようお願いします(続)。
https://twitter.com/info_ps2012/status/716539046810398725

【緊急かつ重大なお知らせ】
当団体と致しましては、今回の事態が発生する前、旧上岡小学校が、元々ドラマのロケ地という事もあり、旧伊庭家住宅で実践していたことなどを、協力者に助言いたしましたが、その当時はコスプレもまだ認められていたという頃でした(続)。
https://twitter.com/info_ps2012/status/716539477917696000

【緊急かつ重大なお知らせ】
遠慮でなく、実質的に禁止というのは、大変厳しい処分であり、ファンの信用が失われたのではないかとも思います。今後、来られる際は、コスプレはしないよう、よろしくお願いします。また、建物の撮影につきましては、OKです。どうかよろしくお願いします(終)。
https://twitter.com/info_ps2012/status/716539965895618560

問題となったのは、茨城県久慈郡大子町にある「旧上岡小学校」。今も4DXで上映中の『ガールズ&パンツァー劇場版』で、大洗女子学園の学園艦が大洗に帰港時、生徒たちが上陸して日々を過ごす場所として登場した建物です。ちなみに、大洗からは70kmほど離れており、車で1時間半ほどかかります。

1879(明治12)年の創立から2001(平成13)年まで、120年以上にわたって子供たちを育んできた木造校舎です。現在は卒業生を中心にしたボランティア団体「上岡小跡地保存の会」の手で管理されており、茨城県と大子町のフィルムコミッションにロケ地としても登録されています。

主な作品としては、2011年7月から放送されたテレビアニメ『神様ドォルズ』では、第7話で空守村の小学校としても登場しています。また、NHKの朝ドラ(連続テレビ小説)では、2006年の『純情きらり』、2011年の『おひさま』で、それぞれヒロインの通う小学校として使われました。

大子町は茨城県最北端にある、山に囲まれた町。日本三代名瀑に数えられる「袋田の滝」があることでも知られています。

袋田の滝

しかし、茨城県最大の観光地である大洗町とは違い、山村の風景が広がり、住民のほとんどは商売や観光とは縁のない暮らしをしています。

■アニメファンにとっては「聖地」でも地元民にとっては大切な「母校」

大洗の場合、事前に地元と様々なすり合わせがなされ、商工会も協力して「町おこし」の一環として様々な展開がなされました。もちろん、昔から茨城県最大の海水浴場があり、普段から「観光客」慣れした土地でもあります。いわば聖地巡礼に来るファンなど「よそ者」に対しても、温かく迎える土壌がある町でした。

大洗での聖地巡礼風景

対し、大子町・旧上岡小学校の場合は、観光地でも商業地でもない場所。そこをボランティアの方が協力しあい土・日・祝日のみ見学できるようにしているのです。しかも場所は、住民にとって想い出ある小学校。廃校からまだ13年しかたっておらず、近隣には「卒業生」が多数生活しています。そんなところに、奇妙な格好をした人が集まり、変な写真を撮っているとなれば黙って見ているわけにはいかないのは当然。住民の皆さんから不快に思われるのもよく解ります。

ちなみに今回禁止理由の一つとされる「商売目的と思われる撮影行為」については、本来公開されている「ロケ支援に関す同意事項」に同意の上、窓口となる大子町フィルムコミッションに「ロケ支援依頼書」の提出が必要となります。無許可での商業撮影はできないことになっているのです。

まんがやアニメの聖地巡礼に限らず、観光客が街歩きをする際は、そこが「住民の生活の場」であることをよく考え、自分の住んでる町で傍若無人にふるまわれるとどう感じるか、そこに思いを巡らせる必要があります。 我々観光客は、あくまでも「お邪魔する」立場。聖地巡礼をする際は、それを肝に銘じておきたいものです。

(文:咲村珠樹)