Q:就寝中に鼻水が喉に流れて、とても嫌な感じです。鼻水は濁っていて、ネバネバしています。鼻をかんでも鼻水は出ません。頭も重いようです。よくない病気でしょうか。(30歳・高校教諭)

 A:非常に不快な症状で困っておられる様子が伝わってきます。疑われる病気の一番は、副鼻腔炎、俗にいう蓄膿です。人間の顔には、鼻と交通している副鼻腔という空洞があります。その空洞に炎症を起こした状態が副鼻腔炎です。
 炎症を起こして膿が溜まると、この方のように濁った鼻水が喉に流れてきたり、頭が重い感じが生じたりします。
 副鼻腔炎は、まずは薬で治療を行います。マクロライドという種類の抗生物質が治療の中心で、それに加えて粘膜の状態を整える薬や、アレルギー性鼻炎のある患者さんでは抗アレルギー薬も併用します。漢方薬も時に有効です。
 この他に耳鼻咽喉科では、鼻水をくまなく吸引し、その後にネブライザーという器具を使って、霧状になった薬剤を直接副鼻腔に行き届かす治療を併用します。

●副鼻腔炎の可能性
 通常、1週間程度で症状は楽になりますが、副鼻腔炎の程度によってはさらに1〜2カ月治療が必要です。自覚症状が治まっても副鼻腔に炎症が残っていることがあり、そのような状態で治療を終えると症状がぶり返してしまいます。数カ月治療しても治まらない場合は手術になります。現在は内視鏡の技術の進歩に伴い、鼻からのアプローチが標準になっています。身体への負担も少ないし、治療成績も向上しています。
 他には、上咽頭炎でも似た症状が起こります。この病気は上咽頭(のどちんこの上のあたり)が炎症を起こします。
 この場合にも、抗生物質を含めた薬での治療が有効です。頑固な上咽頭炎の場合には、鼻うがいやBスポット療法(上咽頭に塩化亜鉛という薬を塗る治療)を併用することで治療効果を上げられます。
 とにかく、一度耳鼻咽喉科で受診してください。このような症状でまれに上顎がんや上咽頭がんが隠れていることがあります。症状が続く場合は、速やかに耳鼻咽喉科で受診されることをお勧めします。

谷山岳司氏(谷山耳鼻咽喉科クリニック院長)
奈良県立医科大学卒。奈良医大附属病院、伊勢赤十字病院等を経て、現在、谷山耳鼻咽喉科クリニック(奈良県香芝市)院長。地域の方々によりよい医療を提供すべく日々奮闘中。