年金改革法案を閣議決定 給付抑制を強化

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これからの年金はどうなる?

年金改革法案が閣議決定されました。今後は年金を支える若い世代に配慮し、支給額を抑える方向です。

年金額は物価等の状況により、毎年改定されることになっています。2004年には「マクロ経済スライド」が導入されました。それまで物価や賃金が上がったら、年金額も同様に上がっていましたが、導入後は、「加入者の減少と平均寿命の延び」から算出された「調整率」によって、上昇率が1%程度低く抑えられることになりました。

調整率は、2025年まで平均0.9%の見込みです。例えば物価が2%上昇すると、年金の上昇率は「物価上昇率2%−調整率0.9%」で計算され1.1%となります。(実際は2015年のみ調整実施)

今回の改革案では、調整しなかった分は翌年度以降に繰り越し、物価上昇時にまとめて調整率が加算されるようになります。つまり、“物価上昇がなく年金額の調整がなかった年”の翌年に物価・賃金が2%アップしたら、年金の上昇率は「物価上昇率2%−調整率0.9%―前年の調整率0.9%」で計算され、0.2%となります。

なお、物価が下落した場合は、年金額は当然に引き下げられます。引下げの際には調整率等はありませんので、年金額は下がりやすく上がりにくくなり、結果年金給付額が抑制されます。ますます年金受給者の生活は厳しくなる、と言えるでしょう。


働く若い世代が減り続ける限り、年金給付の減少は避けられない

しかしながら年金給付を支える若い世代が減り、年金受給者が増えている現状では、若い世代の負担を考えると致し方ない面もあるかもしれません。

その他改革案には、「パートなど短時間労働者が厚生年金に加入する要件緩和」「国民年金に加入している女性の出産前後の4カ月間は保険料を免除」や、「財源として保険料月100円程度の引き上げ」等も盛り込まれています。

ただし、上記法案については、参院選を控え今国会での成立を見送る方針です。そして、選挙後には成立に向け動き出すことになるでしょう。


減る一方の年金にどう対処したらよいのか

将来的に受け取る年金額は減っていくことを受け止め、ある程度自分で老後資金を作っておかなくてはいけないでしょう。

「収入を上げ経費を下げる」ことができれば、手元に残る資金が大きくなりますが、個人でできる範囲には限りがあります。そこで「手持ちの資金をいかに増やすか」がポイントになってきます。

今注目されているのは、確定拠出年金です。企業型の他個人型もあるので、個人事業主など企業年金が無い方でも加入することができます。何より「掛け金は全額所得控除」という点が魅力です。その他「運用益が非課税」「年金受給時の税制優遇」等のメリットがあります。ただし、「途中解約ができない」「運用先によっては元本保証がない」というデメリットもありますので要注意です。

また、「不動産投資」「J-REIT(日本の不動産に投資するファンド)」は比較的安価で購入することが可能で、初心者の方にも人気です。国債等と比較して相対的に高い配当利回りになっています。またインフレリスクにも強いのも特徴です。

ただ、手持ち資金を増やしたいあまり、デメリットについてしっかりと認識しないと、反対に資金を減らしてしまう可能性もあります。お金に働いてもらうには、リスクがあることを忘れてはいけません。じっくりと検討してからスタートしてくださいね。


【佐々木 茂樹:ファイナンシャルプランナー】


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