マイクロソフトの「AIツール」が開発者たちに与えてくれる力

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マイクロソフトは、開発者たちがスマートデヴァイスをより簡単につくるためのAI開発ツールを提供し始めた。そのツールから、AIが音声で状況を説明してくれる視覚障害者向けのシステムや、Skypeなどのプラットフォームで使える会話ボットが生み出されている。

マイクロソフトは3月31日(米国時間)、「Build」カンファレンスで、自然言語を理解する双方向ボット開発のための新しいツールを提供すると発表。新ツール「Cortana Intelligence Suite」の一部として、プレヴュー版を利用できる2つの主要コンポーネントが発表された

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ひとつは、「Microsoft Cognitive Services」。インテリジェンス機能があるAPI群で、システムが、見る・聞く・話す・理解するといった能力を備え、自然なコミュニケーション手法で人々のニーズを判断することができる。

Microsoft Cognitive Servicesを利用したツールとしていまのところ最も印象的なのは、視覚障害者が自由に移動するためのアプリケーション「Seeing AI」だ。マイクロソフトのソフトウェアエンジニアであるサキブ・シェイクが開発したアプリで、彼自身も視覚障害者である。冒頭の動画の通り、シェイクはスマートフォンとスマートサングラス「Pivothead」の両方でSeeing AIを利用して、周囲の情報を入手している。

例えば、外出中の公園で、彼がPivotheadの側面を軽く叩いてスケートボードの技を決めている男性の写真を撮影すると、音声が「男性が空中にジャンプして、スケートボードのトリックをしていると思います」と知らせる。複数で対話しているときにシェイクがPivotheadで写真を撮ると、目の前にいるのが「あごひげを生やし、驚いた様子の40歳の男性」と「幸せそうな20歳の女性」であることを音声が知らせる。レストランでは、シェイクがスマートフォンのアプリを利用してメニューの内容を音声で確認している。

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一方、2つ目のコンポーネント「Microsoft Bot Framework」は、開発者が(どんな言語でプログラミングしていても)、インテリジェントなボットを開発するのに利用できる。このボットによって、SMS、Office 365、Skype、Slackなどの幅広いプラットフォームで自然言語でチャットすることが可能になる。

マイクロソフトは、一例としてドミノ・ピザでの注文専用に設計された会話ボットを披露した。

あるユーザーが「『うち』までペパロニ・ピザのラージを3枚配達してくれる?」と尋ねると、ボットは「うち」が誰かの家を指すと初めは理解していないので、開発者はその単語にタグを付けて、場所であることを示さなければならない。このように人間は一部介在する必要があるが、AIが学習を続けることで次第に自然な会話が可能になるのだ(CEOのサティア・ナデラはカンファレンスにおいて、「ボットは今後、アプリの代わりになる」として、タクシーの予約から買い物などまでをボットが行うようになる構想を発表している)。

マイクロソフトは、こうしたボットをSkypeでも使えるようにする。SDK、APIなどのツールが含まれた「Skype Bot Platform」について、「このプラットフォームを利用すれば、開発者は、テキスト・音声・動画・双方向コミュニケーションが可能な3Dキャラクターなど、Skypeで行われる複数の形態の会話を利用するボットを開発できるようになります」と彼らは語っている。