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『アイドルマスター ミリオンライブ!』初のライブツアー「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」の福岡公演が2016年4月3日、アルモニーサンク・北九州ソレイユホールにて開催された。

五会場七公演を巡るツアーもいよいよ終盤戦。四会場目となる福岡公演には最上静香役の田所あずさ、箱崎星梨花役の麻倉もも、北沢志保役の雨宮天、七尾百合子役の伊藤美来、高坂海美役の上田麗奈、矢吹可奈役の木戸衣吹、田中琴葉役の種田梨沙、木下ひなた役の田村奈央、ロコ役の中村温姫、北上麗花役の平山笑美が登場した。

公演リーダーは麻倉ももと雨宮天の同期コンビ。ぱっと見た感じではクール系美人の雨宮と天真爛漫な麻倉という組み合わせなのだが、実際は自分がリーダーでいいのかという不安を隠さないちょっとネガティブ雨宮と、ライブを通してずっとにこにこと楽しそうで楽天的な麻倉という感じ。最後にリーダーの2人がステージに残った時、ぱっと大きく手を差し出した麻倉に雨宮が握り返してなかよく退場する感じで、まるで麻倉がお姉さんのように見えたのは新鮮だった。

MCではちょっと気弱な発言もある雨宮だったが、「絵本」や「星屑のシンフォニア」といった楽曲における最高のパフォーマンスで空気を作り、ステージを牽引している印象。一方、いつも通りにも見えた麻倉だが、実際はとても緊張していたそう。それもそのはず、福岡は彼女の生まれ故郷であり、765プロ8周年ライブで初めて大きな舞台に立った思い出の地でもある。思い返してみると、どの会場でもご当地食べ物の話題には笑顔で参加して場の中心になっていた彼女が、今日は大好きな九州のうどんの話題にあまり食いついていなかった。実は彼女もリーダーとしてちゃんと進行しなくちゃ! と張り切っていたのかもしれない。

今回のツアーは、ミリオンシアター組37人全員参加がコンセプト。田村奈央、種田梨沙、平山笑美、中村温姫の4人は福岡公演のみの参加だ。中でも大舞台は初参加なのが田村、中村、平山。田村はちょっと不思議な声の個性の持ち主で、「“Your”HOME TOWN」や「あのね、聞いてほしいことがあるんだ」といったひなた自身の楽曲ではとつとつと語りかけるようなまっすぐな素朴さを感じさせるのだが、伊藤美来と組んだ「Helloコンチェルト」では非常に抜けの良い透明感があって、光のあてかたで聞こえ方がかわるような不思議な魅力の持ち主である。

中村温姫も大舞台は初参加だが、2月末の「LTD05」リリースイベントでステージに立ったばかり。ステージの中村はずっと顔いっぱいで笑っているような感じなのだが、その一瞬あとにはもう感極まって泣いていたりと、感情の振り幅がとても大きい。「STEREOPHONIC ISOTONIC」の圧巻の早口パートや、楽しさにあふれた「fruity love」など、常にロコそのものの楽しさにあふれたパフォーマンスが印象的だった。福岡の企画コーナーでは「福岡ロコナイズドクエスチョン!」と題して、福岡の名物をロコならではの言葉使いで紹介していた。

大舞台は初めてなものの、リリイベでは常連の平山。最新のソロがハッピーさと楽しさを凝縮したやや変化球曲の「サマ☆トリ 〜Summer trip〜」だったこともあり前面に出してはいないが、それでもデュオ曲や全体曲の端々から"平山笑美は歌がうますぎる"ということは伝わってきていた。そんな彼女の実力が爆発したのが今回の4人曲「Shooting Stars」。一緒に歌ったのは雨宮天、田所あずさ、麻倉ももというミリオンでのステージ経験豊富な実力派ばかりだったが、その中にあって誰が一番印象的だったかと言われれば、贔屓目抜きで平山だったと思う。彼女は「こんな大舞台は想像もしていなかったけど、ステージに立ったら楽しくて仕方がなかった」と語っていたが、大箱の歓声によるテンション感でこれほど化けるなら、もっともっと大きなステージに立つ姿も見てみたくなった。

1stライブ以来の参加となる種田梨沙は、パフォーマンス全体から役者としての揺るぎのない芯と表現力を感じさせた。繊細な表現力は驚くほどで、安定して見えた1stライブも緊張があったであろうことが逆説的に見て取れた。「Understand? Understand!」「ジレるハートに火をつけて」でコンビを組んだ上田麗奈とは静と動の表現のコントラストで抜群の相性の良さを感じさせた。同じ組み合わせによるデュオ2曲はこのツアーでもかなり異色で、切り込み隊長を担当したこともあり福岡の裏リーダー的な存在感を放っていた。

今回は福岡オンリー組を中心に紹介したので、ほかに印象に残ったところにふれておこう。まずは名古屋・仙台でリーダーを務めた木戸と伊藤だが、福岡公演ではリーダーバトンを渡して肩の力が抜けたのか、活き活きとした笑顔で各リーダー公演以上にも思えるパフォーマンスを見せていた。ツアー恒例の765プロカバーコーナーでおっと思ったのは、後半3曲が「inferno」「First Stage」「チクタク」の並びだったこと。765プロを長く見てきた人なら、この並びから自然と765プロの萩原雪歩を連想するのではないだろうか。雪歩と福岡の明確なつながりは思いつかないが、その会場のカバー曲同士に縦のつながりがあるのは面白い。個人的には、765プロ4周年ライブ福岡公演は初代雪歩役の落合祐里香(と若林直美)が主役な印象だったなぁ……ということをぼんやりと思い出した。

そして最後にふれるのは、いよいよ本格化の兆しが見える田所あずさだ。次の幕張公演ではリーダーを担当する田所あずさだが、ソレイユホールの音響の良好さも手伝って、今日の歌声はまさに絶好調。ステージでの表現の切れ味でいえば過去最高といっていいほど研ぎ澄まされていた。オープニングの挨拶で4回「うどん」と口にした彼女だけに、ステージ前におぼろ昆布付きのうどん(田所と最上静香の大好物)を食べたのも良かったのだろうか? いずれにしても、これだけ仕上がった田所が二週間後リーダーとして、センターの立ち位置でどんな姿を見せてくれるのかを楽しみにしたい。

○『アイドルマスター ミリオンライブ!』3rdライブツアー福岡公演

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

(中里キリ)