ぎっくり腰や捻挫の際に使われる「ロキソニンテープ」(写真は第一三共株式会社のHPより)

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 ロキソニンの新しい副作用が話題になっている。その内容は「重大な副作用の項に、小腸・大腸の狭窄・閉塞を追記する」というものだ。

 だがこれは、ロキソプロフェンナトリウ ム水和物(経口剤)に対して。つまり、口から摂取する経口剤に限った話である。

 ロキソニンを含む薬には、経口剤のほかに貼付薬(いわゆる貼り薬)があり、主な効果はどちらも同じだ。しかし、貼付薬に関しては、今回の重大な副作用が追加されることはなかった。同じ効果があっても、飲み薬と貼り薬では副作用が異なるということである。

 急性腰痛(いわゆるぎっくり腰)や捻挫などの炎症が起こっている時には、ロキソニンなどの抗炎症作用や鎮痛作用がある薬を用いることは有効だとされている(連載・第13回を参照:http://healthpress.jp/2016/03/post-2319.html)。

 人気薬のロキソニンだが、飲み薬と貼り薬におけるメリット、デメリット、使用に際しての注意点など、その違いは意外と知られていない。そこで今回は、ロキソニンテープを軸に解説したい。

薬の違いを知ること

 まず、服薬と貼付の大きな違いは、全身に作用するか、限定的に作用するという点だ。当然ながら、飲み薬は全身に、貼り薬は使用部分に作用する。

 ぎっくり腰や捻挫は、基本的に体の一部分だけに生じることが多い(交通事故などで全身打撲などの特殊な場合はまれにあるが)。その場合、痛めた箇所だけに効く貼り薬のほうが使い勝手がいい。

 全身に作用しないので、最初に述べたような重大な副作用が起こる可能性は、飲み薬と比べると極めて低いことも理解できよう。また万が一、副作用が起こった場合でも、剥がせばすぐに中止できる。消化器を介さないので、それらの内臓への負担が少ないという利点もある。

 ところが、肌に直接貼るので、皮膚が赤くなったりかゆくなったりという欠点がある。皮膚が敏感な人は煩わしく感じてしまうかもしれない。
モーラステープは「ポカリとアクエリアス」の違い?

 ロキソニンテープと同じような貼り薬に、モーラステープがある。成分やメーカーの違いはあるが、基本的な効果は一緒だ(あえてたとえるなら、ポカリスウェットとアクエリアスのようなものだ)。しかし、一点だけ注意して欲しいのは、モーラステープは日光によりかぶれること(光線過敏症)。そのため、首などに貼る場合は注意が必要である。

痛みを押さえ込むことの功罪

 薬は市販のものを除けば、基本的には医師や薬剤師から処方されるものだ。それは臨機応変に一人ひとりに合わせたものである。自己判断しないで、専門家の意見をしっかりと聞き、その時に合わせた適切な薬を使用することが何より大事だ。

 さらに、痛みが不快なのは確かなのだが、生命の大事な"信号"である。痛みがあるからもこそ、私たちは身体の異常に気づくことができる。なんでもかんでも痛みを押さえ込んでしまうのは、より深刻な病気や身体の変化を見逃してしまうことになるかもしれない。

 その部分も留意しながら、ロキソニンテープに限らず、さまざまな薬とつきあっていくことが重要である。


三木貴弘(みき・たかひろ)
理学療法士。日本で理学療法士として勤務した後、豪・Curtin大学に留学。オーストラリアで最新の医療、理学療法を学ぶ。2014年に帰国し、現在は東京都で理学療法士として医療機関に勤務。その傍ら、一般の人に対しても正しい医療知識をわかりやすく伝えるために執筆活動にも力を入れている。執筆依頼は、"Contact.mikitaka@gmail.com"まで。