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 高齢期を迎えても、健康な脳を維持したい――。

 そう強く願うならば、今日からエレベーターの利用を控え、階段を上る労を日々いとわないほうが得策かもしれない。

 そんな脳の若さに関する興味深い研究報告が。『Neurobiology of aging』(4月号)に掲載された。

 「歳をとっても明晰な頭脳を保つためには、もちろん勉強や読書も必要だが、それと同様に体力も重要であることが今回の評価研究で示せたと思う」

 研究著者でカナダ(モントリオール)のコンコルディア大学のJason Steffener氏はそう語る。

 本研究では、健康な成人331人(19~79歳)を対象にMRIを用いて、各自の脳の状態を評価した。

「よく学び、よく歩け」で脳を磨く

 結果、学歴が高い人ほど、そして日常的に階段を多く利用している人ほど、脳が「若い」傾向が判明したそうだ。

 しかも教育期間が1年長いとそのぶん、物理的な脳年齢も「1歳近く若い」という具体的な評価にも結び付いた。

 さらに興味深いのは、日常生活の積み重ねで現われる脳齢の差異。1日に上る階段数が1階ぶん多い人の物理的脳年齢は、「半年以上若い」という評価が下されたのだ。

 今回の成果はあくまでも、上記2点の因子と脳の健康の関連性を示したに過ぎない。因果関係を証明する意図とは違うものの、階段にして「1階ぶん」が分岐点という結果はわかりやすく、健康志向派の実行力を大いにくすぐるものだ。

 「生理学的な脳年齢と実年齢の差に関して、教育要素と身体活動の双方が影響するということが今回判った。しかも、"若い脳を保ちたい"そう積極的に考える人は、階段を使うという手っ取り早い方法で誰もが挑める」

「キレる」よりも「切れる」人でありたい

 Jason氏らの謳う"エレベーター任せから階段利用へ"の健康手段に国境はない。いつもの通勤・通学路、あるいは散歩道を例にとれば明白。

 これまで「横断歩道に比べて億劫、この上ない」と忌避してきた歩道橋を日々使ってみるだけでいいのだ。「億劫」を「健康」という二文字に差し替えるだけで感じる景色は変わり、脳の若さ維持につながるのであれば安上りではないか。

 折しも3月25日、ザ・ローリング・ストーンズが米国と国交回復したキューバの首都ハバナで初の歴史的無料コンサートを開催。2時間・全18曲の圧巻のパフォーマンスで、50万人の観衆を熱狂させた。

 後期高齢者に突入、むしろ「以前よりも"切れ"が増している」と世界中のファンを驚愕させている。ミック(72)、キース(72)、チャーリー(74)、ロニー(68)、4人の年齢を足せば286歳! ステージの活動量さながら、脳のほうも、全員さぞ若いことだろう。
"切れ"が増すどころか「暴走老人」が問題に

 一方、彼らの「I can't get no satisfaction〜♪」をBGMに政治の季節を闘ってきた、日本の"団塊老人"たちはどうだろう。

 "切れ"が増すどころか、近年は「暴走老人」なる言葉も定着し、『週刊東洋経済』(3月19日号)では特集「キレる老人」を組むほどの荒れた趨勢だ。

 駅員への理不尽な要求場面や、相次ぐタクシー運賃の踏み倒しや逆ギレ暴行の報道。終電車内での世代間いざこざや、売り場レジでの執拗な罵倒劇......。一見はいかにも管理職系紳士による、キレる老人ぶり全開の独壇場を目にする機会が増えている。

 リタイア後も役職意識が捨てられない。街へ出ても自尊心を武装解除できない。結果、親切心に無意味な逆ギレで応じてしまう。あるいは自らの失態を責任転嫁して怒鳴り散らす......。その顛末や因子は様々だろうが、昭和の言い回しでは「カルシウム不足」か。

ささやかな生活習慣の積み重ねが自己防衛に

 感情をつかさどる脳は加齢に伴い委縮し、比例して老化現象が起こる。なかでも「前頭葉」の委縮は早い。意欲や判断力の低下、感情(衝動)の抑制機能も徐々に損なわれてゆく。大量の喫煙や飲酒を謳歌した団塊世代であれば悪影響も多々あろう。

 だが、今の世では、思わず「キレる」という不測の顛末の当事者に誰もがなりえかねないほど世知辛い。だからこそ、日々のささやかな生活習慣の積み重ねで、脳の衰えを自己防衛しよう。そう、健康のダイスを転がして。
(文=編集部)