過去の戦争の歴史から、日本に恨みを抱く中国人は多いが、南京師範大学の曹亜曼さんは、「人は生まれながらに恨みを抱いているわけではない」と若者世代の交流に期待を寄せている。写真は南京大虐殺記念館。

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過去の戦争の歴史から、日本に恨みを抱く中国人は多い。特に「南京」という地名には、中国人も日本人も敏感に反応してしまう面があるようだ。しかし、南京師範大学の曹亜曼さんは、「人は生まれながらに恨みを抱いているわけではない」と若者世代の交流に期待を寄せている。

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私は南京出身ですので、しばしば「南京人なのになぜ日本語専攻を選んだのですか」と聞かれます。そのような時には「南京の農村地域の出身で辺鄙すぎて戦禍が及ばなかったから、なんだかあの戦争の実感がないのです」と答えています。

このような質問を度々受けるのは、おそらく皆さんが「南京人はみんな日本人に対して深い恨みを抱いている」と考えているからでしょう。しかし、本当にそうなのでしょうか。人間は生まれながらに恨みを抱いているものではないと私は信じています。戦後50年頃に生まれた私が、なぜ日本人に対して恨みを抱くのでしょうか。

去年、私の大学の国際文化デーで、何人かの日本人学生と知り合いになりました。交流が終わった後も、よく彼らと連絡して、だんだん仲良くなっていきました。ほとんどが私と同じ大学で中国語を勉強している人たちです。その中には交換留学生もいれば、学部生もいます。

ある男子学生は愛知県立大学からの交換留学生で、中国語に熱中しています。中国で活躍する日本語教師を目指している彼は、暇な時間を利用して、私たち日本語科の日本人の先生の授業にも出席し、授業運営の方法を学んでいます。私たちと同じ3年生なのに、彼の中国語は私たちの日本語よりずっと上手なので、みんなに感心されて、わずか一学期の間に、私のクラスにすっかり溶け込みました。今年の2月に日本に戻りましたが、今でもインターネットで連絡を取り合っています。

もう一人の男の子は私の学校の学部生で、すでに3年間中国に滞在しています。「日本語はほとんど忘れちゃったよ。中国語なら話せるけど」とよく冗談を言っています。違うキャンパスにいるので、あまり会う機会はないけれど、お互いのキャンパスに行く時には必ず迎えに行きます。ある日、彼のキャンパスに行った時、おいしい蘭州ラーメンの店を紹介してくれました。中国人の私よりも中国の食文化に詳しいのです。私たち二人は会わない時も、チャットアプリなどでお互いの生活についてのおしゃべりから勉強の相談までいろいろコミュニケーションしています。

このような私たち若者の間の付き合いは、恨みや偏見ではなく、楽しさや好意であふれています。戦争の歴史は忘れてはいけないものですが、恨みは心に刻むべきものではありません。特に私たち若者は、過去の仇に囚われるのではなく、むしろ未来の友情を志向すべきではないでしょうか。豊かな可能性に満ちる未来に向けて共に手を携えて進むことは、変えることができない過去に囚われることよりも、はるかに建設的ではないでしょうか。中国と日本にとっても、そんな未来こそが最も魅力的な夢であると、私は強く信じています。(編集/北田)

※本文は、第十一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、曹亜曼さん(南京師範大学)の作品「中日両国青年たちの未来志向の友情」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。