激しい性描写が3Dで迫る『LOVE【3D】』!世界的鬼才が語る、18禁ラブロマンス
『カノン』『アレックス』など、作品を発表するごとに世界に衝撃を与えてきたギャスパー・ノエ監督が濃密な愛のドラマを3Dで収めた『LOVE【3D】』が公開中です。

⇒【YouTube】映画 LOVE 【3D】  ギャスパー・ノエ監督最新作 4月1日(金)公開! http://youtu.be/zzHr34_Pb7I

 妻子のいる主人公が、かつての恋人との蜜月を思い出していく――。激しいラブシーンが描かれる同作、来日した監督に演出について直撃しました。

◆『LOVE【3D】』はアートでもポルノでもない

――監督は過去にポルノを3Dで撮りたいと発言されていました。

ノエ:『LOVE【3D】』はアート作品でもなければポルノでもない、日常を取り込んだ作品だよ。恋をして肉体関係に及んだとき、何かアーティスティックなことやポルノグラフィックなことをしようなんて思わないだろう。それと同じ。極めて自然に存在するものを切り取ったんだ。

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――確かに自然に存在するものではありますが、とはいえセックスとはとても個人的なものです。

ノエ:今回は愛の熱、パッションを特に描いた。確かにパッションの描き方も人が育ってきた環境によって変わってくるだろう。ここでは自分が慣れ親しんできた世界を捉えた。

 ただ、本作はハッピーエンドではない。物語は現在から始まり、過去を振り返っていく。その恋愛はすでに終わり、悲しい状況にあることが観客にはわかっている。

 ハッピーだったころの性愛がたとえエキサイティングで情熱的で喜びに満ちていても、私たちには過去のことだとわかっている。メランコリックさを感じるドラマになっているんだ。

――激しい性描写も出てきますね。

ノエ:日本ではどうしてもボカシがかかってしまうので、ピンク映画っぽくとらえられてしまいがちだけれど、そうではなく、これはあくまでも愛のドラマ。エロティックなことに関していうなら、60年代、70年代のほうが映画も雑誌もエロティックなものが存在していた。

 現在もAVやネットがあるけれど、生々しくはあっても冷たい感じがする。昔のほうがエロティックなものをいいこと、美しいこととして見せ、官能性が描かれていたと思う。私は官能的なものとして映しているよ。

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◆実際に行為をしているか、種明かしはしない

――ラブシーンの演出はどのようにされるのですか?

ノエ:かなり綿密な話し合いを役者と事前に重ねる。どこが限度で、どこまでならできるのか。撮影もごく少人数のスタッフにとどめて行った。本当に行っているように見えてもしてはいないこともたくさんある。ドキュメンタリーではなくフィクションだからね。

 ただ、種明かしはしたくない。際どい性愛を描いた作品で、後にあれは実際にはやっていないと明かしているものもある。種明かしをすることは役者の私生活を守るかもしれないけれど、実際に映画を観る側としては別に知りたくないことだ。だから自分はどれがどうだと明かしはしない。

――主人公マーフィー役のカール・グルスマンは俳優ですが、妻オミ役のクララ・クリスタンとかつての恋人エレクトラ役のアオミ・ムヨック、ふたりは初の演技ですね。

ノエ:演技経験のあるなしは関係ない。大切なのはカリスマ性だ。彼らは素晴らしかったよ。彼らのカリスマ性、美しさが活きていた。演じている本人たちは役柄とはかなり違う人たちだ。ああいう性欲に溺れる人たちではなく、すごくセンチメンタルで慎み深くて、健全な人たち(笑)。

 おそらくこうしたシーンのある映画に出るとき、誰もが心配するのは、親が観たらどうするだろうかということだよね。でも幸いにも、3人ともオープンマインドな家族や友人に囲まれていたから問題はなかった。でも、もし彼らが銀行や税務署に行ったときに相手が照れて顔を合わせてくれなかったら、その人はこの作品を観ているかもしれないね(笑)。

◆日本人は年齢にかんじがらめになっている

――日本では女性がセックス描写のある映画を観に行くのを躊躇する傾向にあります。

ノエ:この映画はセンチメンタルな映画だ。ただし激しい恋愛感情に陥ると、まるで戦争に突入してしまったかのような状態になる。激しいエクスタシーもあれば、一方で不安や危険な感情も渦巻いて、盲目になってしまったりする。それは誰もが経験するものなのだから、いやらしい映画とは思わずに足を運んでほしい。

 ここの読者の方は若い独身女性が多いと聞いた。ぜひ人生を楽しんでと伝えてほしい。独身のメリットはいろいろあるけれど、大きいのはとにかく自由だということ。相手も選び放題だし、どんな行動をするにも自由なのだから、謳歌してほしい。

――若いとおっしゃっていただきましたが、日本では30代の女性は若いと言われないこともあります。

ノエ:(バカげているという表情を見せてから)日本の人は年齢にがんじがらめになっている印象があるね。若さというのは何歳かではなく、考え方や態度、行動で決まる。大事なのは好奇心。好奇心を持ってどんどん行動したり前に進んで行ってほしい。

 自分もまだまだいろんなものを見たり聞いたり読んだりしたいし、発見すべきことがたくさあると思っているよ。

<PHOTO、TEXT/望月ふみ>
『LOVE【3D】』は全国公開中
配給:コミストック・グループ 配給協力:クロックワークス
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『LOVE【3D】』オフィシャルサイト http://love-3d-love.com/