WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 今季メジャー初戦のマスターズ(4月7日〜10日/ジョージア州・オーガスタ・ナショナルGC)開幕まで秒読み段階に入ってきた。

 そんな中、英国のブックメーカーをはじめ、アメリカではラスベガスのスポーツカジノによる優勝候補のオッズが出そろってきた。アメリカと英国では、優勝候補に挙がる名前と、その倍率がやや異なっていて、興味深いところだ。

 ラスベガスの、とあるガジノでは現在、アメリカを代表するトッププレーヤーで連覇を狙うジョーダン・スピース(22歳/アメリカ)が1位。オッズは7倍となっている。続いて、2位がバッバ・ワトソン(37歳/アメリカ)で10倍、3位がフィル・ミケルソン(45歳/アメリカ)で21倍。他、有力どころでは、ヘンリク・ステンソン(39歳/スウェーデン)が30倍、ルイ・ウーストヘイゼン(33歳/南アフリカ)が40倍といったオッズをつけている。

 一方で、英国の某ブックメーカーでは、ロリー・マキロイ(26歳/北アイルランド)と、ジェイソン・デイ(28歳/オーストラリア)が同率トップで6倍。それに、スピースが7倍と続いて、以下、B・ワトソンとアダム・スコット(35歳/オーストラリア)が同率で12倍となっている。

 優勝候補となるのは、確かにそれぞれで名前が挙がっている面々だろう。なかでも、今回最も注目したいのは、英国で1番人気のマキロイである。マスターズ優勝に向けて、並々ならぬ意欲を見せているからだ。

 4大メジャーのうち、全米オープン(2011年)、全英オープン(2014年)、全米プロ(2012年、2014年)の3大会はすでに制しているマキロイ。マスターズを勝てば、"キャリア・グランドスラム"達成となるだけになおさらだ。

 そして今年、マキロイはマスターズ開幕前日に行なわれる「パー3コンテスト」には参加しない旨を、先日早々に発表した。マスターズ出場は今年で8回目となるが、過去パー3コンテストに参加しなかったのは、2011年大会だけである。

 その年は、初日から爆発して最終日を首位で迎えた大会だ。結局、最終日に「80」と大崩して15位タイに終わったが、のちにマキロイは、「あの年が一番優勝に近かった。その年は(開幕前日の)パー3をプレーしなかった」と振り返っている。ジンクスにかけた感があるものの、「しっかりと本戦に集中したい」というのが本音だろう。

 今季はまだ、欧州ツアー、PGAツアーそれぞれで勝利を挙げていない。それだけに一部では「不振」と囁かれたりしているが、ここに来て徐々に調子を上げてきているマキロイ。マスターズでも一昨年8位、昨年4位と成績を上げてきていて、「今年こそ」という思いは一段と膨らんでいるはずである。パー3コンテスト不出場というのは、まさにその強い意気込みの表れ、と言えるのではないだろうか。

 有力候補として、2着目のグリーンジャケットを狙うアダム・スコットも気になる存在だ。

 長尺パターから通常のパターに替えた今季、その対応に苦しむのでは? といった声もあったが、2月末からのフロリダシリーズで、ザ・ホンダ・クラシック、WGCキャデラック選手権と2週連続優勝。周囲の不安を一掃し、マスターズに向けて、上々の仕上がりを見せている。

 さらにスコットは、マスターズでは"元相棒"のスティーブ・ウィリアムスをキャディーに起用する。ウィリアムスはタイガー・ウッズの元キャディーで、スコットが2013年にマスターズを制した際のキャディーでもある。

 ウィリアムスは2014年からセミリタイアしていて、以降、スコットのキャディーバッグを担いだのは、メジャー大会と他数試合のみ。今季2勝は、現在のキャディーであるデイブ・クラークで挙げた勝利だが、2度目のマスターズ制覇を狙うとなると、やはりウィリアムスの力が欠かせないようだ。

「スティーブの経験は、何ものにも代え難い。それは、ここ数年の僕たちの成績を見れば、一目瞭然だ」(スコット)

 パッティングのラインをどれだけ読めるかが大きなカギとなるマスターズ。経験豊富なウィリアムスを相棒とするスコットからも目が離せない。

 2週連続優勝と言えば、先のアーノルド・パーマー招待とWGCデルマッチプレー選手権を制し、世界ランキング1位に返り咲いたジェイソン・デイも忘れてはいけない。このまま好調を維持して、昨年の全米プロに続くメジャー大会の連続優勝なるか、注目される。

 もちろん、ディフェンディングチャンピオンのスピースの存在も無視するわけにはいかないだろう。今年1月のヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズに優勝して以降、結果を出せていないが、彼がマスターズの連覇を果たせるか、アメリカのゴルフファンが最も関心を寄せるところ。その期待に応えられるかどうか、注視したい。

 まもなく開幕を迎えるマスターズ。有力視される人気選手がひしめく中、誰が栄冠を手にするのか、楽しみでならない。

text by PGA TOUR JAPAN