今年で4年目を迎えるユニットコントライブ、『すいているのに相席』シリーズ。
前回の『すいているのに相席3.5』から、アイアム野田(鬼ヶ島)がレギュラーメンバーに加入。それによる変化や5月に控える『すいているのに相席4』の見どころなどをメンバーに聞いた。前編はこちら


間違えないことを大切にしています


───前回、ルミネtheよしもとで上演された『すいているのに相席3.5』からアイアム野田さんが参加されましたね。野田さんはその前の『すいているのに相席3』のアフタートークに登場され、トークのためにメモをとりながらコントを観て「メモって便利」という名言を残されましたが、観る側から出る側になってどう思われましたか?

アイアム野田(以下、野田) 面白いなーと思いながらメモをとって観ていたものがですね、練習してやってみたらね、やっても面白い。
全員 (笑)。
野田 いやーもう、台本もらった時点で、笑って読んじゃうんですよ。これってなかなかない。これを間違えずにちゃんとやったらちゃんとウケる。だから、このライブでは間違えないってことを大切にしています。

───鬼ヶ島のコントとは違いますか?

野田 そうですね、鬼ヶ島だと多少、「こういうふうに」とかは自分で言ったりしますけど、『相席』だと先生たちが教えてくださるので、役者に徹するというか、役者ではないですけど、本当、なんていうんだろう。はい。あのー、ね、わかりますか? 察してください!


尾関高文(以下、尾関) そんな答えあります(笑)?
野田 わかりますよね?

───なんとなく(笑)。野田さんが『相席4』からレギュラーメンバーになった理由は?

バッファロー吾郎A(以下、A) せきしろさんと二人で、レギュラーでほしい人やなって話したんです。僕は野田がいるとやりやすいし、みんなもともと仲いいし、これほどふさわしい人はいない。

───演者の皆さんは、野田さんが入ったことで変化はありましたか?

尾関 普通にうれしいです。野田さんってよくミスするので、僕のミスを打ち消していただける、ありがたい存在。
A 怒られる回数が減るってことやろ(笑)。
尾関 いや、えーと切磋琢磨できるというか、楽しいというか、入ってもらってとてもありがたかったです。
高佐一慈(以下、高佐) やっぱり明るいですし、ムードメーカーだなって本当に思います。野田さんが入ることで稽古がスムーズにいったりする部分もあるんですよ。
野田 ふふふ。


山脇唯(以下、山脇) 野田さん以外の皆さんと3年やってきて、だいぶ慣れたせいでもう話しかけなくていいかなとか思ってる瞬間とかあったりしたんですけど。
尾関 そんな瞬間があったんすか(笑)。
高佐 確かにさっき、ここに尾関と山脇さんと僕3人でいた時、誰も話さなかったですもんね(笑)。
A  家族みたいってことね!
山脇 そうです! みんなが家族になったところに、仲のいいいとこが来た感じ。
野田 ああー、いとこ。うれしいなあ。



『相席4』では肉を切らせて骨を断つ!?


───最近は「相席」のたびに「相席反省会」という公演を振り返るライブも開催されていて、そこでそれぞれのコントの裏設定が披露されることもありますね。

高佐 裏設定に関しては、A先生やせきしろさんしか知らないところがあって、それを稽古中とかに雑談で知って「そうだったんですね!」ってなることがありますね。たまに公演が終わってから初めて知ることも(笑)。
尾関 山脇さんはたまに自分で考えてやってるよね。
山脇 はい、内緒で考えてやってます(笑)。

───『相席3.5』のコント「天使」では、突然始まるミュージカル部分の演出をかなり山脇さんが支えていたとか。

せきしろ もともとは木村くんがネロ、野田くんがパトラッシュという配役だったんで。最初はもっと歌謡ショー的なものだったのが、ネロを高佐にしてから、ミュージカル要素が強まっていったんですよね。で、僕よく「テニミュ(テニスの王子様ミュージカル)」を見ていて、あの特殊な部分を入れてみたいと思った。そしたら2.5次元ミュージカルに詳しい山脇さんがノリノリで。
山脇 いやいや(笑)。
せきしろ 高佐はすごい踊るし、実は木村くんもすごい踊るし。早替えの練習をみんなでするのが楽しかったです。
野田 あーれは楽しかった。
せきしろ 「じゃあここで羽をつけよう」って決めて、すぐにアマゾンで羽を買ったりして。


───みなさんのチームワークがさらに高まるなか、5月には『すいているのに相席4』が控えていますね。

A 予定では9割くらいは新ネタで行こうかなと思ってます。定番のものも1個か2個、入れるかどうか。それによって100%新ネタになるかもしれませんけど。

───定番というのは、歴代さまざまな人がやっている短めのコント「こどものタヌキ」とか……

A そうですね。それをやるかどうか、せきしろさんといま相談してます。あとは、「春キャベツボウリング」をどうするか(笑)。


───今回は会場が座・高円寺2でステージがかなり広くなりますが、それによってコントが変わることもあるんでしょうか? それとも傑作選的な位置づけの『相席2.5』などをステージの広いルミネtheよしもとで経験済みなので特に意識はされないですか?

A いや、多少コント自体を変える必要もでてくるかもしれないですね。だからといって過去のものを全部なしにして新たにではなくて、いい言葉あるでしょ? いいものを残して、新しいものを取り入れるみたいな。ええと、「カスタム」?
野田 「肉を切って」?
尾関 「肉を切らせて骨を断つ」は絶対違いますよ(笑)。
山脇 「カスタマイズ」?
A ああ、そんな感じ。「マイナーチェンジ」? ちゃうわ。
野田 ああ、はいはい、わかるわかる。
尾関 わかってないでしょ(笑)。
山脇 「ピットイン」?
高佐 ピットインではないでしょ(笑)。
A 違う(笑)。軸は守っておいて、新しいものは取り入れる。そういうことです。
高佐 お察しください。


友だちの子どもから還暦すぎのお父さんまで


───では最後に、『すいているのに相席』を観たことのない方にメッセージを。

せきしろ すっごい難しい表現をすると、『すいているのに相席』っていうのは「おもちゃ箱をひっくり返したような」。
A ぜんぜん難しくないです! よく聞くやつ(笑)。
せきしろ 今まではひっくり返したおもちゃ箱にこけししか入ってなかったですけど、今回はちょっとレゴなんか入れたいなあって思います。

───ちょっとポップな感じですね。

せきしろ 前面には出さないですけど、基本的に自分の中でポップでいたいというのはあります。決してアングラなことをやっているわけじゃないんで。
尾関 芸能界のこととか、テレビを題材にしたネタを面白くやる人って、いま実はいないと思うんですけど、「すいているのに相席」はそこをいろんな角度でコントにしている。日本の新しい表現のユニットになり得る可能性があるのかなって思います。
高佐 ふだんこのメンバーでやっている、いわゆるユーモア軍団のライブに対して、わりととっつきにくい気持ちを持っている人もいると思うんですよ。だけど、一回観に来てほしいっていう気持ちはすごくあります。僕が初めて参加させていただいた時は本当に衝撃だったので。
A (真剣な表情で)ちょっと真面目な意見になっちゃうんですけど。先ほどせきしろさんがアングラではない、ポップであるといった。それもわかる。というのは、日本の笑いっていうのはね……。
全員 (声色で察して笑いはじめる)
A日本の笑いはいままで、「もういいわ、ありがとうございました!」というきれいなオチが当たり前だった。落語のサゲもそうですよね。もしくはアメリカのスタンダップコメディだったらパンチライン。そういうものにみなさんが慣れ親しんでいる。でも、僕にとって『相席』は、フランス映画的なノリなんです。EndではなくFin。このFinを楽しんでもらえればって思っています。 (笑)。
山脇 うちの父親は還暦を過ぎてるんですけど、ほとんどお笑いを観る習慣をもっていない父が『相席』を観に来たとき、ゴキゲンになってたんですよね。それから、友だちの子どもが観に来て、トシちゃん(田原俊彦)のコントで、トシちゃんなんて知らないはずなのに「トシちゃん、トシちゃん」って大はしゃぎしてた。いろんな人が気軽に観にきて楽しめるのが『すいているのに相席』だと思います。
せきしろ 山脇さんのお父さんが本当に喜んでくれたみたいで、俺のところに来て「ああいうの、いつ思いつくんですか」って聞いてくれた(笑)。
山脇 先日、父と一緒にニュースを観てたんですよ。そしたら悲しいニュースがいっぱいで、「悲しいニュースばかりで嫌になるね」って言ったら父が「そんなときこそコントやな!」って答えたのでびっくりしました。
全員 (笑)。
野田 (急にダミ声で)あのー、
せきしろ モノマネ?
高佐 誰のかはわからないけど。
尾関 田中角栄?
野田 (気にせず)前回初めて仲間に入れてもらって、やってみて面白かったんですよね。それがにじみ出てると思うんですよ。観た人を少しも嫌な気にさせないですねえ。それだけは絶対、言えますね。楽しい思いで帰らされると思いきや……。
高佐 帰らされる?(笑)。
野田 ときには最後に涙もあったりして、感情がウエーッて揺さぶられる。すごいですね、エンターテイメントですね。なんで、とにかくまちがいないです。観に来てください!
(釣木文恵)


お知らせ


「すいているのに相席4」公演を記念して、エキレビ!では「氷河さままつり」を開催します。「すいているのに相席3.5」で人気沸騰の「氷河さま」のイラストを募集します。詳しくはコチラを

「すいているのに相席4」
会場:座・高円寺2
日時:5月3日(火・祝)18:30、5月4日(水・祝)14:00、18:00
料金:前売3,000円、当日3,500円(チケットよしもとチケットぴあにて取り扱い)
作・演出:木村明浩、せきしろ、上田誠(ヨーロッパ企画)
出演:高佐一慈(ザ・ギース)、尾関高文(ザ・ギース)、山脇唯、アイアム野田(鬼ヶ島)、バッファロー吾郎A
ゲスト:高田郁恵、児玉智洋(サルゴリラ)


「すいているのに相席」シリーズとは?
2013年3月、新宿シアターモリエールにて第1回となる『空いているのに相席』を上演。翌2014年2月には『空いているのに相席2』、その7月には1と2からセレクトし、新作も加えた『すいているのに相席2.5』をルミネtheよしもとで開催。以降新作公演および傑作選的公演をそれぞれ年1回ペースで開催している。アイアム野田(鬼ヶ島)は『すいているのに相席3.5』でゲストとして参加、『すいているのに相席4』からレギュラーに。