1日、東京株式市場で日経平均株価が急落、一時前日比500円超安の1万6232円を付けた。3月の日銀短観で大企業の景況感が悪化したため、幅広い銘柄に売りが広がり、ほぼ全面安の展開。円高が進み、企業収益が悪化するとの懸念から売られた。写真は東京証券取引所。

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2016年4月1日、新年度明けの東京株式市場で日経平均株価が急落、一時前日比500円超安の1万6232円を付けた。この日発表された3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業の景況感が悪化したため、幅広い銘柄に売りが広がり、ほぼ全面安の展開。円高が進み企業収益が悪化するとの懸念から、海外勢いを中心とした大量の売りに見舞われた。

3月の日銀短観は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス6と前回15年12月調査から6ポイントも悪化、2013年6月調査以来の低水準となった。1ドル=110円台前半まで進行した円高相場や新興国経済の減速が輸出比率の高い製造業の収益を圧迫、特に自動車や機械など主力分野の悪化が目立った。国際商品価格の下落を受けて素材産業の景況感も悪化。個人消費の鈍化も非製造業全体のDIを押し下げた。

16年度の事業計画の前提となる想定為替レートは大企業製造業で1ドル=117円46銭。1日の円相場は112円台前半で推移しており、今後企業収益のさらなる悪化が懸念される。

2015年度の市場は円高・株安となり、株高を至上命題とする「アベノミクス相場」が反転。経済政策の手詰まり感が強まり、同年度の前半に日本株の買い手だった外国人投資家が大量の売りに転じた。日本株はほぼ独歩安の様相。

15年度末3月31日の株価水準が1年前に比べ大幅に下落したため、企業や年金基金に巨額の含み損が生じたことも市場心理を冷やした。

市場関係者は「異次元緩和やマイナス金利などの金融政策は完全に行き詰まっており、大胆な景気浮揚策を講じなければ、株価はこのままずるずると下降する」と懸念している。(八牧浩行)