専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第48回

 ゴルフをやっていて、何が一番楽しいか。

 そりゃ、ホールインワンやエージシュート(自分の年齢以下のスコアを出すこと)を達成したり、クラチャン(クラブ選手権の優勝者)になったりすれば、天にも昇る気分になるのでしょう。

 けれどそれらは、現実的にはかなりハードルが高い世界です。生涯かけてもできないことが多いですから。

 じゃあ、普通のアマチュアゴルファーが達成できるすごいこと、喜びにつながることは何か?

 それは、「ベストスコアの更新」です。

 まずもって、ゴルフを始めた日ですね。その日は、まさに自らのベストスコアを最初に記録したすごい日だと思います。

 20数年前、私にもそんな日がありました。デビュー戦は、確か140台だったと思います。それから、何回ベストスコアを更新したことでしょう。そのたびに、心地よい気分を味わってきました。

 まあでも、最終的には10数年前に「75」を出して以来、記録の更新はできていません。よっぽど暇になって、お金も有り余る状態にならない限り、「75」のベストスコアを更新することはないでしょうね......。

 それはともかく、伸び盛りのみなさんは、がんばってベストスコアを更新して、同伴プレーヤーなどに焼肉でもおごってもらいましょう。

 とはいえ、「140」のスコアじゃあ、誰もご馳走なんてしてくれませんよ。「ベストスコアを更新したぜ!」と人様に吹聴し歓待を受けられるのは、やはり「100」を切ってからでしょう。

 第一、ゴルフをやり始めた者にとって、初めての"100切り"は感激もひとしおですから。そして、ゴルフが楽しくなるのは、そこからです。私もゴルフがより「面白い」と感じたのは、「100」を切ってからです。

 さて、ゴルフは平均ダブルボギーのスコアでも「108」です。ダボが当たり前のゴルフをしていては、「100」は切れません。半分ぐらいはボギーでおさめないと、"100切り"は不可能です。

 じゃあ、いかにボギー多めのゴルフをするのか。そこをみなさん、練習したり、工夫したりして、戦略を練るわけです。

 それでは、どうやったら"100切り"を達成できるのか。

 私の場合、セカンドショットをどのクラブで打つかで、「これだ」というクラブを見つけてからです。

 当時のゴルフは、ショートホール以外、ドライバーでティーショットを打つのが当然で、他に選択の余地はありませんでした。そして、ティーショットを放ったあと、半分ぐらいはセカンド地点から前へ打てると仮定して、次は何を使って打つべきか?

 ロングアイアンなんて最初からうまく打てませんし、フェアウェーウッドもチョロばっかり。それでは、スコアになりません。

 そんなとき、ユーティリティーが出始めて、これは「うまく当たりそう」と直感し、試しに打ってみたのです。「タラコ」と言われていたPRGR(プロギア)のインテストシリーズというもので、それを使ったら球筋が安定し、グリーン近くまでボールが運べるようになったのです。

 それからですよ、ボギーを頻繁に出せるようになったのは。その果てに、「100」を切るようになってからは、ベストスコアの更新が何回も起こって、本当に楽しいゴルフ生活が送れるようになりました。

 当時は誘われて参加するラウンドでしたが、ベストスコアを更新するときに気づいたことがあります。それは、わりと簡単なコースで、記録は達成される、ということです。

 レギュラーティーから打つのは当然ですが、全体の距離が通常6200ヤードだとしたら、全長5900ヤードぐらいの短さがよろしいですね。

 立地条件としては、山岳コースはダメです。レイアウトが難しいし、アップダウンが激しいですから。理想は、平らな林間コースです。でも、古い名門クラブだと、林の密集度が半端ないですから、オープンして間もなくて、まだ樹木が成長していないコースがあれば最適です。以前は、そんなコースがゴロゴロありました。

 そうすると、河川敷コースなんて、ベストロケーションじゃないかって思うでしょ? 確かに条件的にはそうですが、事前に簡単だとわかってしまうと、逆に「好スコアが出るのが当然」というプレッシャーがかかって、意外と好結果は出ないものです。

 クラブハウスなど建物が立派で、かつてはバブルだったんだな、と感じるコースのほうが、襟を正す意味でもいいです。そしてそのコースが平らで、OBラインがあっても広めにとってあったら、かなりの好条件と言えます。加えて、ティーショットでミスしてOBになったとしても、相当進んだ地点に"前進4打"、あるいは"前進3打"のティーがあれば、言うことなしです。

 アマチュアゴルファーで、やってはいけないのは、1ホールで10打ぐらい叩くことです。この"炎上"がなければ、メチャクチャひどいスコアにはなりません。

 というわけで、ベストスコアを更新しやすいのは、おおむね簡単なコースです。そうしたところでのラウンドを繰り返して、どんどんゴルフを楽しみましょう。実際、その後「90」の壁にぶつかる2、3年の間は、すこぶるゴルフが面白いし、ベストスコアの更新が続きます。

 そうやって、だんだんうまくなってくると、今度は「80台を出したい」という欲が出てきます。そんな"90の壁"のお話は、また今度、別の機会に書かせていただきます。

 それでは、みなさん、練習に励んでくださいね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa