中国メディアの澎湃新聞によると、浙江省杭州市内で30日午前10時ごろ、若い女性がビル6階から飛び降りた。近くにいた廃品回収業を営む55歳の男性が異変に気づき、女性の落下場所めがけて突進した。両手を出して受け止めようとしたが女性の体が直撃して重傷を負った。落下してきた女性よりも深刻な負傷だが、命は助かる見込みという。(写真は澎湃新聞の30日付報道の画面キャプチャー)

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 中国メディアの澎湃新聞によると、浙江省杭州市内で30日午前10時ごろ、若い女性がビル6階から飛び降りた。近くにいた廃品回収業を営む55歳の男性が異変に気づき、女性の落下場所めがけて突進した。両手を出して受け止めようとしたが女性の体が直撃して重傷を負った。落下してきた女性よりも深刻な負傷だが、命は助かる見込みという。

 男性がなぜ、女性が飛び降りるのに気づいたかは不明。近くに目撃者が複数いたことから、悲鳴などで気づいた可能性がある。
 女性の体が落ちてくると、男性は落下地点めがけて突進した。両腕を前に伸ばしていたことから、女性を手で受け止めようとしたと見られている。しかし落下した女性と男性は体全体が激突した。2人とも地面に倒れて動かなかった。通報を受けた警察官が駆けつけ、病院に連絡した。

 2人が運ばれた杭州市紅十字会医院(杭州市赤十字病院)の医師によると、女性はひざの骨を骨折しているが、命に別状はない。男性の体がクッションになって地面に激突する衝撃が弱められたために助かったのは明らかという。

 医師によると男性のけがの方が深刻で、頭部外傷、歯の脱落、左側肩甲骨と大腿骨の骨折がある。軽度の脳震盪も起こしたと見られるが、命に別状はないという。

 女性は1987年生まれ。家族によると、交際している男性と不和になり、最近になり睡眠薬で自殺を図ったことがある。注意していたが、30日には目を離したわずかな隙に飛び降りてしまったという。

 男性は安徽省出身で今年55歳。長年に渡って杭州で生活していた。女性が飛び降りた周囲で廃品を回収して、妻と子を養っていたという。

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◆解説◆
 中国では農村部や地方都市の出身者が大都市に出て、長期間にわたって生活する例が多い。少しでも多くの現金収入を得るためだ。しかし、得られる職業は通常、建設工事作業員、清掃員、大衆的な飲食店の従業員などで、日本風に言えば「きつい・汚い・危険」の3Kの仕事ということになる。つまり、大都会という経済先進地域での「下層階級」と言える。

 特に廃品回収業の場合には、働き口が見つからなかった人が従事する仕事だ。女性を助けて重傷を負った男性の社会における立場は、あえて言えば「最下層の人」ということになる。

 中国では、経済的には余裕があるはずの海外旅行者が、国外で「不行跡」を働いて批判が集まる場合がある。比較的貧しい農村部住民や農村部出身者の場合、トラックの事故現場に大勢が殺到して、散乱した積み荷を持ち去るなどの問題行為も多いが、上記一件のように、わが身の危険を顧みずに、目の前の人を救ったなどの話題が伝えられることも、珍しくない。(編集担当:如月隼人)(写真は澎湃新聞の30日付報道の画面キャプチャー)