日本人が実際中国に対して好感を持っているのかいないのか。世論調査のデータがしばしばクローズアップされるが、その数字は日本人全体の意識をどこまで如実に表わしているのだろうか。過去最悪の好感度という意見もあれば、印象の悪化はすでに止まっているとの声もある。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本人が実際中国に対して好感を持っているのかいないのか。世論調査のデータがしばしばクローズアップされるが、その数字は日本人全体の意識をどこまで如実に表わしているのだろうか。過去最悪の好感度という意見もあれば、印象の悪化はすでに止まっているとの声もある。

 中国メディア・環球時報は3月30日、「日本国民の対中感情は複雑 悪化傾向はすでに歯止め」と題した記事を掲載。日本の内閣府が同12日に発表した最新の世論調査で中国に「親近感を抱かない」と答えた人の割合が83.2%と1978年の調査開始以来最も高い数字を記録したことについて、日本の外務省報道官が「中国への親近感は高くないが、感情悪化の傾向はすでに歯止めの兆しが出ている」とし、「中国と良好な関係である」と回答した人が前回の5.3%から9.5%へと増加したことを示したと紹介している。

 記事は、日本は頻繁に世論調査が行われる国で、内閣府以外にも国内のマスコミやNPOが盛んに調査結果を発表していると説明。そのうえで、NPOによる調査結果の影響力は小さく、「日本人は日本政府や大手マスコミが実施する調査に共感を覚える傾向がより強い」とした。一方で、「これらの調査結果は往々にして政治的立場による差が顕著に出るのだ」と論じ、国内の全国紙がそれぞれ持つとされる政治的立場について解説した。

 そして、政府やマスコミによる世論調査に対する日本国民の影響について、日本のある東アジア外交研究者が「中国に行ったことも中国人に接したこともない一般サラリーマンは、この結果を額面通り受け取る。考えたり判別したりすることができないからだ」とする一方、中国に行ったことのある人の多くは「この結果を鼻で笑っている。日本は中国のことを正しく見ていないと思っている」と解説したことを伝えた。

 ある日本の学者が「確かに日本人の厳しい対中観はいくらか緩んでいる」としつつ、「決して中国人の印象が変わったわけではなく、日中の経済状況を比較したうえで現実を受け入れ始めているのだ」と評し、政府に対して中国との経済協力強化、日本製品の中国への売り込み強化を求めるなど「現実を重んじる声が出始めた」と解説したことを報じている。

 中国や中国人との実際の関わりがないゆえに、あるいはそもそも関心がないゆえに、世論調査の結果がそうだから「私もなんとなくそんな気になってくる」ということはないだろうか。中国人観光客が日本に押し寄せるようになり、リアルに中国や中国人と触れ合う機会を持つ日本人が、それを望む望まないに関わらず増えていることは間違いないだろう。それが中国や中国人に対する、自らの経験に基づいた「自分なり」の考えを育むチャンスとなることを期待したい。もちろん、中国人観光客にとっても、日本滞在中の経験が個々の「対日観」に大きな作用をもたらすことは、言うまでもない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)