かき傷やすり傷…。自分でできる最新の“傷ケア”で傷跡を残さない!

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春本番。暖かくなってくると、薄着になっておしゃれを楽しみたくなるもの。でも、露出した肌は、洋服などで守られていない分、外界の刺激を直接受けやすい。

「特に30代にもなると子どもの頃より“傷”は治りにくく、跡が残りやすいので要注意。正しい方法で傷跡を残すことなく治すことが大切なのです」こう話すのは、湘南鎌倉総合病院形成外科・美容外科部長の山下理絵さん。

子どもの頃、切り傷やすり傷などは、バンドエイドを貼って患部を乾燥させて治すもの…だったはず。でも、10年以上年前から、傷をきれいに治すには、傷口を乾燥させないことがとても大事であるとわかっていたのだとか。これは『湿潤療法』といい、傷口を潤わせて保護することで、よりキレイに傷が治るというものなのだそう。

「傷を早く治すためには、細胞の増殖を促す『細胞成長因子』が活動しやすい環境を作るのがいちばん。傷口からジクジクした液がにじんでくることがあると思いますが、これは『浸出液』と呼ばれ、細胞成長因子を多分に含みます。傷口を乾燥させると浸出液が失われて細胞成長因子の働きが妨げられるため、表皮の細胞ができにくくなってしまいます」(同)

その結果、傷の治りが遅くなってしまうのだとか。また、消毒液も細胞を壊してしまい、浸出液の作用を妨げることにつながる可能性があるから、要注意。

「すり傷や切り傷が発生したときはまず、殺菌や汚れを落とすために水道水の流水で傷口をよく洗いましょう。そして、乾いたタオルで水気をふき取ってから、傷口に白色ワセリンをしっかり塗り、傷口周辺を被覆材(ひふくざい)で覆いましょう。ただし、ペットと遊んでいてケガをした場合などには、感染のおそれがあるので、流水で洗い流した後に消毒をしたほうがよいでしょう」(同)

白色ワセリンや被覆材などはドラッグストアで購入することができる。被覆材は、従来のバンドエイドなどと違って、傷口を乾かさず保護するもの。こちらはハイドロコロイドやプラスモイストという製品名で販売しているそう。被覆材を使った絆創膏も販売しているので、これを使ってもOK。

跡を残さない正しい傷ケアを取り入れて、きれいな肌を目指して。

山下理絵
湘南鎌倉総合病院形成外科・美容外科。医学博士、同病院形成外科・美容外科部長。日本形成外科学会専門医、日本形成外科学会認定施設長、日本美容医療協会認定専門医、日本レーザー医学会専門医、指導医、日本熱傷学会専門医、日本熱傷学会認定施設長、日本抗加齢医学会専門医、Medical skin care specialist direct doctor、北里大学非常勤講師、横浜市立大学非常勤講師。
外傷や再建、腫瘍など形成外科の診療はもちろんのこと、子供のあざやしみなどのレーザー治療では定評があり、多くの講演や教育を行っている。最近では、幹細胞を用いた乳房再建を行い、ウーマンライフのQOLの向上にも努めている。